Piccadilly Circus 『Never Cry Butterfly』
先日、竹内まりやさんの「家に帰ろう」を紹介しました。あれはAメロの入りがサブドミナントというのが珍しいと書きましたが、竹内さんの曲にはそういう非トニック入りのものがいくつかあります。
「家に帰ろう」以外の曲でサブドミナント入りといえば、この「Never Cry Butterfly」があります。しかし、ご存知のとおり、この曲はカバーであり竹内さんのオリジナルではありません。編曲も含めてものすごくよくできた曲です。まずは竹内まりやバージョンを聴いてみましょうか。
たしかに竹内まりやさん山下達郎さんの好みとはちょっと違う、ブリティッシュ・ポップのテイストがありますね。私はどちらかというとこちら寄りです。
そう、この曲のオリジナルは、日本のビートルズとも言えるピカデリー・サーカスの楽曲なのです。作詞は杉真理さん、作曲は伊豆田洋之さん。まさに日本のジョン&ポール。
では、オリジナルで聴いてみましょう。
竹内バージョンはアレンジも含めてほとんどオリジナルどおりだということが分かりますね。職人山下達郎さんも手のつけようがなかったのでしょう。たしかに入りだけでなく、各所のコード進行にいい意味での「作られた感」があります。研究の末の新発見というか、やっぱりビートルズ的。つまりなんだかんだ言って、近代西洋音楽の上に成り立っている、まあ言うなればピアノ的楽曲(作曲)なんですね。ギター的ではない。
作曲者の伊豆田洋之さんの弾き語りを聴くと、その感はますます強くなります。ピアノもいいけれども、やっぱり声がいいなあ。
ヨーロッパでも多くのビートルズ・フォロワーが生まれましたよね。私の音楽のルーツであるジェフ・リン(ELO)なんかその代表格です。日本ではやっぱりPiccadilly Circusですね。
私はやっぱり、ブルースやロックンロールやフォークよりも、こういう構築系の音楽が好きなんですよね。これはもう「血」でしょう。自分はどこから来たのかなあ(笑)。
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