ハーシェルのヴィオラ協奏曲
今日、たまたまある大学の先生にこの話をしました。天王星の発見などで有名な天文学者ウィリアム・ハーシェルが、実は音楽家でもあったという話。
昔は音楽と科学は完全に同列に扱われていました。音楽が必修だったと言ってもいいでしょう。最近の学問は、哲学、宗教、芸術をやらないからダメという話をしたわけです。
さて、そのハーシェルの音楽、話すと長くなってしまうのですが、私の人生を大きく変えてくれたんですよ。これはホントに感謝しています。
というのは、日本ハーシェル協会というのがあってですね、その発足当時に作曲家ハーシェルを紹介する音楽会を企画したんですね。
で、天文同好会に入っていた大学3年生だったワタクシは、当然のごとくその演奏会に行ったわけです。たぶん1984年のことです。
その演奏会が開かれた場所が東京は東久留米の聖グレゴリオの家。すでに古楽を愛好しており、古楽器を本格的に始めようとしていた私にとっては、まさに運命の場所でした。
なにも知らず東京の端っこの教会に着いた私は、演奏会が始まる前に大興奮してしまいました。その聖グレゴリオの家に「グレゴリオ音楽院古楽科」という古楽を勉強できる学校が併設されていたのです。
当時としては本当に日本で唯一古楽演奏の勉強ができる場所でした。言うまでもなく、私はすぐに入学しました。それから15年近く毎週そこに通うようになったのです。
ちなみにそのコンサートの演奏者は田崎瑞博さん、川原千真さんらの古典四重奏団(の前身?)でした。もちろん古楽器を使用。本格的な古楽器の演奏を生で聴いたのも、実はその時が初めてだったのです。めちゃくちゃ上手で、そういう意味でも衝撃的だったのを思い出します。
天文と古楽、今でも私の重要な構成要素です。その二つのライフワークをつないでくれたのがハーシェルだったというわけですね。
で、その時のプログラムは当時の天文ガイドを見れば分かると思います。記憶はかなり曖昧になっているのですが、中にヴィオラ協奏曲もあったような気がします。えっ?ヴィオラ協奏曲?と思った覚えがあるので。
その後、残念ながら作曲家としてはマイナーなハーシェルの作品は録音されることもなく、なかなか聴く機会に恵まれませんでした。しかし、今は本当に便利な時代ですね。YouTubeで何曲も聴くことができます。
今日はそのうち、ヴィオラ協奏曲全3曲を紹介します。当時なんでそんなマニアックな楽譜が手に入ったのかは、こちらに記述がありました。なるほど、そうだったのか。
ということで、私にとってあまりに大きな意味を持つこのハーシェルのヴィオラ協奏曲。客観的には名曲とは言えないかもしれませんが、いや、私にとっては超名曲です。いつか演奏してみたいなあ。
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