新日本プロレス1.4 『棚橋弘至 vs ケニー・オメガ』
正月恒例の新日本プロレス東京ドーム大会をテレビで観戦しました。
変化に富んだ試合の並んだ良い興行だったと思いますが、やはりメインの棚橋対オメガは心揺さぶられるベストバウトでした。
イデオロギー闘争。品格論議。プロレスらしく大きな物語を内包した試合でしたね。
それにしても棚橋のプロレスが「クラシック」と言われる時代になったのですから、なんとも感慨深いというか、ある種のショックを感じますね。
プロレスという日本独特の(とあえて言います)伝統芸能、相撲に代わる神事には物語がふさわしい。勝ち負け、白黒という次元を超えた物語世界がそこにあります。
そういう意味で、伝統派の日本人棚橋と、進化派の外国人オメガとの一進一退の戦い、そして日本の薄氷の勝利こそは、まさに今の私たちが待望している物語そのものでしょう。戦後、力道山がバッタバッタとアメリカ人を倒したように…。
伝統派、保守派の(とあえて言います)棚橋が大事にしたのは「品」。一つ一つの技に「思い」、「心」をこめる。そこに「人間性」が表れる。まさに科学や経済を超えた「保守」の価値観ですね。
長い目で見ますと、平成という時代にはプロレスと総合格闘技の相克がありましたね。あれも保守と新自由主義の対立でした。
結果として、こうして「物語」が勝利を収めつつあることは、次の時代への大きなヒントになると思います。
ちなみに、オメガは外敵のように見えますけれども、実は日本人よりも日本をよく理解している、実は大変なナイスガイです。一緒にBBQした者として断言します(笑)。
さて、オメガはこのあとどう動くのか。日本のスピリットをアメリカに持ち込むのか。飯伏もそこに帯同するのか。戦後日本の新しい日米関係の物語を紡ぐ…私はそれを期待しています。
聖徳太子が示した日本の日本文化の真髄。輸入して成熟させお返しする。プロレスはまさにそういうモノであると感じています。
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