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2018.12.24

観世流 『独立披露 田口亮二 渡邉瑞子』

Th_20181103112408650 動。こちらで告知していました、観世流能楽師、田口亮二くんと渡邉瑞子さんの独立披露が行われました。
 私の教え子であり、私の娘の師匠であり、人間国宝野村四郎師の内弟子であった渡邉瑞子さんが、同志の田口亮二くんとともに、このたび観世流準職分として独立いたしました。その独立披露の舞台が、銀座の観世能楽堂にて開催されたのです。
 芸の道は遠く長い。独立はその長い旅路の通過点に過ぎませんが、能楽師を志すきっかけを作り、その出立の背中を押した者として実に感慨深いものがありました。
 田口くんの若々しくも重々しい謡と舞は、敦盛の迷えるエネルギーを実に的確に表現していたと思いますし、瑞子さんの乱は猩々のある種の狂気性(それが祝祭性になる)を余すところなく表現しつくしていました。
 昨日の忘年会、いつもお二人も参加してくれるのですが、さすがに今年は大舞台前日ということで欠席でした。しかし、その会で話された「あわい」「ものまね」「もののね」「アートとサイエンス」などの全てが、この舞台に表現されていたように感じられ、昨日と今日の有機的かつミステリアスなつながりに驚嘆させられました。
 もちろん、二人の新たな船出に華を添えてくださった野村四郎先生、野村萬斎さんらの芸も素晴らしすぎました。伝統の重みと未来への無限の可能性が、「今ここ」に凝集している様子は、これぞ「能・狂言」と言うべき時空間そのものでし
 全く不思議なご縁で、ウチの娘は瑞子さんの弟子となり、野村四郎門下に入門しました。そのようなご縁もありますから、私もお二人とともに未来の「能」を創造していきたいと思っています。
 このたびは大変おめでとうございました。これからのさらなる精進に期待します。

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