『ドン・ジョバンニの夕べ』 (河口湖円形ホール)
実に楽しい夕べでした。
知り合いが企画したこのコンサート。素晴らしい音楽家の方々との交流も含めて充実の時間。
なるほど、こういう小さな「オペラ」というのも、ある意味気楽に楽しめていいですね。
前半のドン・ジョバンニの抜粋版、それぞれの歌手の方々の実力はもちろん、ピアノ伴奏も的確で、またあの地獄の門を足踏み発電によるLEDで表現するという、実に現代的かつユーモアに溢れた演出で面白かった。こういう形での入門編というのは、とても重要です。足踏みには聴衆も参加。参加型オペラというのは新しい!
後半のピアノ曲演奏がまた良かった。原佳大さんは、日本人では初めてモーツァルトのピアノ・ソロ作品全曲演奏をされた方です。
演奏されたのは、ピアノソナタ イ短調 KV 310、幻想曲ハ短調 KV 475、ピアノソナタ ハ短調 KV 457。全て短調というプログラムは珍しい。すなわち「死」がテーマになっている。
モーツァルトというと、どうしても明るいイメージがありますが、よく言われるようにだからこそ短調の曲に名曲が多いんですよね。それをこうして並べて聴く機会というのはそうそうない。
田舎のベーゼンドルファーが、演奏者によって次第に鳴るようになっていくのが、よく分かりました。原さんとも話しましたが、ベーゼンドルファーはスタインウェイなどとは違い、しっかり胴体を鳴らします。そういう意味では、フォルテピアノの系統とも言えるんですよね。
だんだん胴体が振動し始めて、香り立つような響きが生まれた瞬間には感動しました。あまりメインテナンスされてないからこその瞬間(苦笑)。
終演後はワインをたらふくいただきながらの懇親会。先日知り合った作曲家の権代敦彦さんも交えて、実に楽しい対話の時間でした。ああ、酔っ払った(笑)。モーツァルトとワインに酔いしれた「夕べ」でありました。ありがとうございました。
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