バッハ 『無伴奏チェロ組曲第5番』 (鈴木秀美)
アウトソーシングというには、かなり無理がありますが、自分では弾けないので名手鈴木秀美さんにお願いしたという体で。
演奏だけでなく、楽器や調弦、演奏や演奏家についての解説もまた素晴らしい。完全に同意です。まずは解説からどうぞ。
なるほど「落語」ですか。たしかに。日本人は無伴奏が得意かもしれませんね。
そう、この曲、スコルダトゥーラなんですよ。私も当然スコルダで弾いています(ヴィオラで)。
ビルスマも言っていたと思いますが、バッハ自身はチェロは演奏しなかったようなので、おそらく自分ではヴィオラで弾いたのではないかと。
で、そうだとすると、6番は5弦必要なので、私が弾いているような「5弦ヴィオラ」で作曲、演奏したのではないかという疑いが生じますね。
ついでに勝手な妄想(暴走)をしますと、上掲の記事に書いたとおり、ブランデンブルク協奏曲の6番も(特に第1ヴィオラは)、やっぱり5弦ヴィオラで演奏すべきなのではないかと思うわけです。それもスコルダトゥーラで。
そんなことをやっているのは、世界中で私だけかもしれませんが、結構正解なのではないかと思っているのです。
無伴奏チェロに話を戻しましょう。アンナ・マグダレーナ・バッハの筆写譜によりますと、冒頭、このような指示があり、その後もいわゆるスコルダ記譜法になっています。つまり、最高弦については実音ではなく、運指の場所に音符が書かれている。
スコルダの面白さは、鈴木さんがおっしゃっているとおり、普通では弾けない和音が弾けること、そして、響きが変わることです。特に「緩める系」のスコルダは、テンションが下がって、残響が増えますから、なんとも心地よい響きになるんですよね。
そんなところもお楽しみいただきながら、ぜひ鈴木秀美さんの名演奏をお聴きください。映像もきれいです。たしかに「チェロが通ればバッハが引っ込む」…いや、ここでは「バッハが通ってチェロが引っ込んでいる」ということですね。
このオランダバッハ協会の「ALL 0F BACH」シリーズ、めちゃくちゃいいですよ。これからもいくつか紹介していきます。
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