ファミリーヒストリー 『ロバート秋山竜次』 (NHK)
75年前の事件浮かびあがる不思議な絆
現代の世阿弥(と私は真剣に思っている)、ロバートの秋山竜次さんの「ファミリーヒストリー」がすごすぎました。放送されたのは昨日ですが、観たのは今日。
まさに「事実は小説より奇なり」。あまりに出来すぎたストーリーに「これがシナリオだったらダメ出しされるな」と思ってしまいました。
こういう「出来過ぎなご縁」というのは、私もたくさん体験しています。そのたびに天意というか天命というかを感じざるを得ない。
どれほどすごかったかは、もうご覧になっていただくしかありません。
この「ファミリーストーリー」、NHKの異常とも言える取材力によって、本人も知らない血縁のストーリーが明かされ、毎度驚きと感動を巻き起こすのですが、今回はいわゆる神回だったと言って良いでしょう。
私が秋山さんや彼のお父さんに特別な思い入れがあるからかもしれません。というのは、私の姉が秋山さんの大ファンで、本人に会って話しただけでなく、門司のお店に行ってあのお父さんともずいぶん仲良くなったと聞いていたからです。いったいどんな家に育ったんだと(笑)。
もちろん、私も彼の芸、特に最近の「クリエーターズ・ファイル」を観て、これは「モノを招く」という意味で、伝統的な「ものまね芸人」だなと高く評価していました。そう、能の大成者世阿弥が語った「物まねに似せぬ位あるべし。物まねを究めて、そのものに真に成り入りぬれば、似せんと思ふ心なし」という境地を、彼は完全に現代において実現しています。
逆に言えば、モノ(他者)を招き入れるような境地の人には、縁が味方をする、ということでしょう。これは仏教の教えにもつながります。他力とは縁を活かすことですから。
それを無意識でやることが重要です。天才とはそういう人でしょう。自我が、ある意味ない。
それにしても、父方、母方ともに外地を経由していること、梅宮辰夫さんとの因縁、この動画のロケ地である天草の小さな島との不思議すぎる縁…本当に面白かったし、感動しました。
再放送が11月2日(金) 午前1時からあります。1日の深夜です。ぜひ観てください。
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