武久源造さんのシャコンヌ(バッハ)
昨日の話につながります。
武久源造さん編曲の、バッハのシャコンヌがとってもいい。まずは、私の大好きな(実は得意な)クラヴィコードでの演奏をどうぞ。
言うまでもなく、原曲は無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ。楽器の制約上、演奏できる音はかなり限られます。しかし、だからこそ、そこに「空」が生まれるわけですね。
特にシャコンヌのような変奏曲の場合、たとえば循環するバスは記憶の中で鳴り続けます。ですから、楽譜上になくとも(つまり実際に発音されなくとも)、そこには存在しているわけです。
無でもなく有でもない「空(くう)」。そういうことです。
それを武久さんは見事にダウンロードしてきた。さらに次の動画の解説にあるとおり、その曲の背後の「空」に存在したであろう物語もダウンロードして演奏している。実に面白いですよね。
フォルテピアノでの素晴らしい演奏です。
このシャコンヌ、バッハ自身はもちろん、本当に多くの鍵盤奏者が編曲(ダウンロード)して演奏しています。それらはまさに千差万別(レオンハルトやコーネンの編曲も良かった)。「空」ですから「無限」なのです。
そこがまた「禅」的ですよね。エンプティーだからフルなんです。
いつかも書いたような気がしますが、「マインドフルネス」が流行っていますけれども、その究極は「マインドエンプティネス」なんですよ。空っぽの器になった時、最も満たされるのです。
そんなことを、バッハは教えてくれるのでした。特にこのシャコンヌ、本当にすごい曲です。超えようがありません。
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