第20回 かりんの会 朗読会
今日は河口湖円形ホールにて地元の朗読の会をお手伝い。朗読に即興で音楽や効果音をつける役割です。
いろいろな音楽活動をしておりますが、ある意味このお仕事が一番やりがいがあります。
特に今回は本番寸前まで朗読の内容もわからず、リハーサルも基本なしでいきなりの本番だったからです。
一度だけ朗読を聞かせていただき、そこでイメージしたものを、本番で実際に音にする。これはなかなか集中を強いられる作業であります。
全く練習しなくてよいというメリットはあるのですが、その分本番が大変。当たり前のことですが、ある意味その緊張感というか、集中している感じが自分では好きですし、今日もそうでしたが、ありがたいことにこういうスタイルの方が、お客様や共演者に好評だったりする(つまりちゃんと練習を要するジャンルだと不評)。
私は絶対音感がないので、たとえば浮かんだメロディーをその場で楽器で演奏することはできません。では、どうやって音楽を奏でるかというと、とりあえず最初の音を出して、そこからは勝手に音楽が動き出すままに演奏するのです。
そういう意味では全く自我がない状態であり、自分はただ楽器を通じて音を具現化する、まさにメディア(ミーディアム)の役割しかしていません。
音を出すタイミングなども、朗読を聞きながら、考えるのではなく感じてやっていますので、逆に言うと、二度と同じ演奏はできないんですね。それがまた面白い。再現性ゼロです。
今日もそういう瞬間が何度かありましたが、朗読する方と波長があって、お互いに盛り上がる時があります。これはなんとも言えない体験です。
さて、昨年は4種類の楽器を弾き分けましたけれど、今年はシンプルにヴィオラだけにしました。そのヴィオラで、音楽だけでなく、人が怒っている声、津波の音、鐘の音、心臓の鼓動、救急車のサイレンなども表現しました。どちらかというと、そういう擬音が得意なんですよね。宴会芸で鍛えられているので(笑)。
いやあ、それにしても、今日朗読された作品、みんな良かったなあ。途中何回か泣いてしまいました。本当に。言葉の持つ力ってすごいなあ。
音楽と言葉の関係、今とっても興味のある分野です。
来月には東京で即興演奏をする機会があります。ダンスとの共演。楽しみです。またそれは告知したいと思います。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
- 笑点神回…木久蔵さん司会回(2022.05.15)
- 『フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』 ユアン・シェン(クラヴィコード)(2022.05.02)
- NHKスペシャル 『東京ブラックホールⅢ 1989-90魅惑と罪のバブルの宮殿』(2022.05.01)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 『シン・ウルトラマン』 庵野秀明 脚本・樋口真嗣 監督作品(2022.05.19)
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
- 笑点神回…木久蔵さん司会回(2022.05.15)
「文学・言語」カテゴリの記事
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
- 『教祖・出口王仁三郎』 城山三郎(その10・完)(2022.05.12)
- 『教祖・出口王仁三郎』 城山三郎(その9)(2022.05.11)
コメント