小川榮太郎氏が語る「二・二六事件」
ただ今、なにかとお騒がせ中の小川榮太郎さん。彼とウチとは決して遠くない関係なのですが、まあ、あれは批判されてもしかたないですね。特集もちゃんと全部読みましたし、彼の反論ビデオも観ましたが、正論にしてもやはり言い方というものがある。文学的批評というのもありだと思いますが、やはり「感情的」になっているところが分かる文章はいけない。残念です。
もちろん批判する側も非常に感情的で気持ち悪い。いずれにせよ、日本の論壇はこんなレベルなのかという絶望感があります。
さて、そんな小川さんですが、歴史、特に昭和史に関する論評はバランスがよく好感が持てます。ここで語られている二・二六事件論もなるほどと思わせるところがあります
やはり小川さんは文学者であり、歴史としての事実だけでなく、たとえば青年将校の「精神」を評価していますね。結局のところ、この事件が多くの文学や映画に描かれているのは、そういう一面があるからです。
近代の社会科学としての歴史学は、ある意味唯物論的であり、精神、意識の部分を捨象して成り立っています。そこに異論を投じるのは、たしかに文学者の役目であり、またいわゆる保守論壇の役割であるかもしれません。
しかし、そこに過度な同情や敵愾心を盛り込んでしまうと、今回の騒動のようなことが起きてしまう。そこが文学や保守の弱点でもありましょう。
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