安倍宗任(鳥海三郎)とニギハヤヒ
秋田旅シリーズの番外編。
実はこの旅、最初に企画してくれた方はあの方です(わかりませんよね)。御本人は残念ながら不参加になってしまいましたが、心は一緒に旅してくれたということでしたので、さっそく報告がてら近所にあるプライムミニスターのセカンドハウスにおじゃましました。
そこで土産話&2021年以降の話をたっぷりさせていただいた中で、いつのまにか話題の中心になっていたのが、安倍宗任さん。
ちなみに安倍総理のご先祖は安倍宗任です。安倍宗任は秋田近辺にいましたが、前九年の役で捕らえられ、のちに伊予、筑前に配流になっています。東の果てから西の果てまで流されたわけです。そして、その安倍宗任の子孫のうち、山口県長門市油谷に住み着いた一族が、安倍総理のご先祖だと言われています。
その安倍宗任、実はこの旅で分かったことがあります。
ウチのカミさんは旧姓「安倍」ですが、「アベ」とは読まず、すわなち「I'm not ABE」でして(笑)、「アンバイ」と読みます。
ウチの家内の故郷は秋田県の羽後町軽井沢という山の中の集落です。鳥海山を望むその地には「安倍(アンバイ)」さんや「阿部(アベ)」さんがたくさん住んでいます。
その集落から南側の峠を越えたところに川が流れています。子吉川。鳥海山を源流とする河川です。で、今回義弟が教えてくれたのですが、その子吉川、古くは「安倍川(アベカワ)」と呼ばれていたらしい。
安倍川と言えば、ウチの実家のある静岡市の安倍川(今年は花火大会が中止になりましたね)、安倍川餅の安倍川が超有名ですが、なんと秋田の安倍の里の近くにもあったのです。
考えてみると、安倍宗任は鳥海三郎とも呼ばれており、鳥海山とは切っても切れない縁があります。ただ、今までは、本家鳥海山麓の秋田山形ではなく、宮城や岩手の「鳥海」との関係ばかり言われてきた。
しかし、それは鳥海三郎やその一族末裔が居住したから、のちにそういう地名になったのであり、やはりルーツは鳥海山であってしかるべきです。
物部氏と安倍氏が深い関係にあることは、たとえば谷川健一さんの「白鳥伝説」にも詳しく書かれています。
そう、安倍、鳥海と言えば白鳥氏の存在を忘れてはなりません。白鳥氏も奥州安倍氏の系統です。「鳥」の字を使っているのも偶然ではないでしょう。
そして、白鳥氏、羽後町となると、ワタクシ的大発見である、上到米の唐松神社本社。こちらの記事をお読みください。ほとんど誰も知らないホンモノの唐松神社は、鳥海山を望む形で鎮座しています。
ちなみにパワースポットとしても有名な協和町の唐松神社。そこに残る物部文書によれば、ニギハヤヒは鳥海山に降臨したことになっています。しかし、そちら有名な唐松神社は鳥海山からはずいぶんと離れた所にあります。謎ですね。
さてさて、結局何を言いたいかといいますと、安倍宗任は鳥海山を信仰しており、その鳥海山には物部氏の始祖であるニギハヤヒが祀られていたと。ニギハヤヒはその名から想像できるとおり、「和魂(にぎみたま)」を内包しています。
物部氏が信仰した大和の三輪山に、出雲のオオクニヌシの和魂(にぎみたま)が祀られていたのも、もちろん偶然ではありません。
そして、その物部の「和」を完全に理解し、物部氏の「国譲り」を受けて、その魂を永遠に残そうとしたのが、聖徳太子であり、その現実的な成果の一つが、十七条の憲法の第一条「以和為貴」なのです。
さらに言えば、出口王仁三郎も鳥海山を特別な霊山としてとらえていました。田庭の真名井、そして石切神社とイスキリ…ここまで想像力を広げてしまうと、さすがに収拾がつかなくなってしまいましたが(笑)。
統合失調ならぬ統合過剰なワタクシたちは、そんな話で大いに盛り上がりまして、最後には、アベ氏もアンバイ氏も、「和(にぎ)」をこの国に施すために存在し、現在の立場にあるのだと、まあ、そういう我田引水な結論に至ったわけであります(笑)。
現在、鳥海山には「大物忌神」が祀られているとされています。「モノ」と「ニギ」との関係については、今研究中ですので、いつか書きましょう。
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