白井聡・國分功一郎 『日本人から思考を奪う「国体の正体」とは何か』
昨日の講演で「150年戦争」論を少し披瀝しました。日本は何と戦ってきたのか。そして勝ったのか、負けたのか。
明治維新以来150年の見えない敵との戦いは今年終結します。折り返し地点は昭和17年から18年。まさに大東亜戦争の負け始め。
そして昭和20年の「敗戦」。仲小路彰は「勝利」したと言いました。だから「終戦」であると。その本当の意味は、そこからの70数年、つまり戦後日本の戦いを視野に入れないと分かりません。ただ単に大東亜戦争の目的を達成したから勝利というのでは、あまりに都合が良すぎる。
戦争が終わって、日本人は兵士であることをやめたかと思いきや、とんでもない。今度は企業戦士となって欧米と対等以上に戦いました。
しかし、その戦いにも「負け始め」が訪れます。それがいつだったのか、バブル崩壊なのか、いや、もう少ししないと分からないでしょう。俯瞰しないと。
つまり、私たち日本人は、この150年間において、少なくとも二度負けているのです。その無謀な戦いを支えたのは、根性論であり、精神論であり、滅私奉公であり、そして「国体」でした。
…と、これは私の勝手な妄想であり、多くの方々の賛同は得られないと思いますが。
しかし、この白井聡さんと 國分功一郎さんの対談では、多少似た論が展開されていると感じました。もちろん細かい部分では、私はとても彼らには敵わないわけですが、全体としては共感できる部分が多くありました。
「国体」という概念自体が、もちろん明治以降に生まれたものです。教育勅語で明示され、その後国体明徴運動が起こり、国家として「国体の本義」まで発表されました。
今の人たちにとって「国体」とは「国民体育大会」にほらならないのですが、それは笑い話ではなく、その「体育」の中に見事に戦前、戦中の文化が残っているという話も、少しですが昨日させていただきました。
「国体」という、本義を明徴しなければ何が何やら分からないモノに支配され、結果として平和を築いてきたと同時に戦争もしてきた日本。なんとも不思議としか言いようのない歴史を持つ日本が、これから世界においてどういう価値を発揮していくのか。それは仲小路彰が示してくれています。そして、私はそれが正しくそのとおりになると信じています。
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