白川郷「帰雲城」の悲劇
昨日は高山のあと白川郷に行きました。しばらく記事の時間軸が前後しますが、過去も未来も現在に内包されていることを考えれば、日付にこだわる必要はありませんね。
で、白川郷で驚くべき偶然(必然)の出会いがあって、おかげで研修旅行団の団長であるワタクシが集合に遅刻するというギャグをやらかしてしまいました。
そのご縁の今後の展開については、動き出したら報告します。
さて、白川郷と言えば…もちろん合掌造り集落なわけですが、ある意味それ以上にインパクトがあるのが、一夜にして消えた幻の「帰雲城」のお話ではないでしょうか。
ご存知の方もいらっしゃると思いますけれども、足利義政の名を受けた内ヶ島氏が、信州松代から入植して一時代を築きました。おそらく内ヶ島氏は鉱山の知識・技術を持っていたのでしょう。
昨日うかがった中にも、「火薬」の話がありました。それは蚕の糞に関わる話でしたが、金にせよ火薬にせよ、戦の基礎になるものですから、この秘境に多くの財が集まった可能性は当然あります。埋蔵金伝説があるのもうなづけるところですね。
さて、その、権勢を誇った内ケ島氏ですが、まさに一瞬にして全滅してしまいました。
というのは、天正13(1585)年11月29日(新暦1月18日)の午後11時ころ、あの天正の大地震が発生、帰雲城を見下ろす帰雲山が山体崩壊を起こし、山津波と川の氾濫となって城はもちろん、町ごと壊滅させてしまいました。生き残った者は数名。ポンペイもびっくりの一瞬の悲劇でした。
天正地震は謎に包まれています。東海・北陸・近畿の広い地域で津波を含む大きな被害を出しました。おそらく複数の断層が動いた地震なのでしょう。日本海側を太平洋側、両方で津波も観測されたようです。
今でも震源さえ特定されておらず、その被害規模からしてマグニチュードは8を超えていた思われます。直下型のM8は大変です。
若狭湾から伊勢湾にかけて、日本を完全に東西に分断するような動きがあったということでしょう。今、東京直下地震や東南海地震などの可能性が騒がれていますが、このような、ある意味想定外の震域での大地震も起こりうるということを忘れてはなりません。
ちなみに壊滅した「帰雲城」やその城下町の位置は特定されていません。山体崩壊の傷あとは、430年たった今でも、はっきり残っています。それが上の写真です。
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