« 『勝たずして何の我等ぞ』 (昭和19年朝日新聞社) | トップページ | 島田紳助 伝説のNSC講義 »

2018.06.12

米朝首脳会談とプロレス

Th_2018061300000019reut0004view 当に「あっけなく」実現してしまいました。あまりのあっけなさに、感動はあまりありません。それもこの役者二人ですから(笑)。
 私も一度は米朝首脳会談中止という記事を書いてしまったことからも分かるとおり、すっかり二人にだまされました。
 いや、だまされて腹が立つとかではなく、変な話ですが、やっぱりプロレスってすごいなと感心した次第です。
 この「歴史的」な試合と和解、まるでプロレスじゃないですか。もちろん、プロレス信者の私は、悪い意味でそう言っているのではなく、「歴史的」な名場面というのは、ことごとくこのようなプロレス的な世界で展開しているのではないかと。
 昨日の朝日新聞のプロパガンダもそうですよ。今見ればバカバカしていけれども、あの時はそれで何百万の命が奪われたわけじゃないですか。
 だからそういう歴史もプロレス自体も、ぜったいにバカにできないんですよ。そういう「物語」こそがリアルであるというのは実に面白い。
 いわゆる正々堂々のスポーツ的な世界は、実はリアルではないということです。もちろん、今回のプロレスは三流の試合でしたよ。それはプロレスの名誉のために言っておきます。
 もうちょっとピリピリした雰囲気を作ってから、歴史的な和解に持っていくとか、プロレスのストーリーとしてはもっとやりようがあったでしょう。二人がそこまでの役者ではなかったというか…。
 そうそう、これも言うまでもありませんが、かつて「トランプとプロレス」に書いたとおり、トランプは(リンカーンも!)かつてはプロレスラーでした。それがアメリカという国の前近代性を象徴しています。神話の世界なんですね。
 そういう意味では、トランプにとっては、金正恩はヒールとして強力なライバル。その二人が初めて対戦して、まあ予想どおりタッグを組んだわけですよ。あの中身のない同意書を見れば、これはある種の共闘と言っていい。
 それにしてもですね、超ヒールの二人がノーベル平和賞候補のベビーフェイスになって、国際的にはベビーフェイス(赤ちゃんという意味でも)の安倍さんが、ますます国内ではヒールになっていくという、このパラドックスが面白いし、まさに神話的で楽しいですね。
 さて、脇役になってしまったヒール軍団、プーチン、習近平、ドゥテルテ…その他の、今後のプロレス的振る舞い方はどうなっていくのか、非常に楽しみです。

|

« 『勝たずして何の我等ぞ』 (昭和19年朝日新聞社) | トップページ | 島田紳助 伝説のNSC講義 »

スポーツ」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 米朝首脳会談とプロレス:

« 『勝たずして何の我等ぞ』 (昭和19年朝日新聞社) | トップページ | 島田紳助 伝説のNSC講義 »