ナナフシの「国譲り」
ナナフシのナナフシギ…「昆虫のナナフシ、鳥に食べられ卵を拡散か 神戸大など研究チーム」というニュースは新しい不思議を提供してくれましたね。
言われてみると、鳥などの動物に捕食されることによって子孫を拡散するというのは、植物では定番の作戦ですよね。動物にもそういうことがあるのではと、なんとなくですが私は思っていました。動物の糞の中に昆虫などの卵があってもおかしくないなと。
しかし、実際には今回のナナフシの例が初めてなんですね。逆に驚きです。
それから興味深かったのは、これがナナフシだったということです。言うまでもなく、ナナフシは「擬態」の王様。木の枝のような姿は、ある意味芸術的でもあります。
記事にあるように、もしナナフシが繁殖のために鳥を積極的に利用するならば、もっと目立つ姿をしていいはずです。その点、一見矛盾した進化をしていますよね。
そこがポイントだと思うのです。
まず、擬態という進化はいわゆる進化論だけでは絶対に説明つきません。すなわち「枝のようになって身を守りたい」という切実なる「意志」がないと、ああはあらない。偶然の突然変異と自然淘汰では説明不能です。
ここで、最近何度もお話している「時間は未来から過去へと流れている。原因は未来にある」という時間哲学が登場します。
そう、つまり、ナナフシ(ナナフシ以前のある昆虫)は、過去のある時点において「枝のようになって身を守りたい」と切実に思い、未来のナナフシ像をイメージして、ボールを上流の未来に投げたんですね。で、結果ちゃんとナナフシになった。
さらに、ナナフシになったのちなのか、その進化の途中なのかは分かりませんが、もう一つ強い未来のイメージを持った。それは、天敵のヒヨドリに食べられたのちも、卵は生き残り、子孫はどこかで繁栄するという妄想。
その結果、卵の殻は丈夫になって今に至ると。そして羽は必要なくなったので退化してしまったのでは。羽がないから…ではなくて。
というわけで、こういうことを言うと、またトンデモなことを言っている。全く科学的ではないといわれるのがオチなんですが、宇宙科学的にいうと別にトンデモなことではないんですね。
おとといも書いたとおり、実際には未来も過去も現在も同時に「今ここ」に存在している。それぞれ並行しているブロックとのやりとりは、高次元のエネルギーによる。高次元のエネルギーには「意識」や「意志」、「感情」も含まれる。これが未来的な宇宙科学の常識です。
ですから、ナナフシが強い意志をもって未来の自らの姿を理想形に変えていくことは、なんら不思議でもトンデモでもありません。選択肢は無限にあるのです。それを選ぶのが「意志」というエネルギー。
さて、もう一つ、ナナフシさんと、ワタクシの哲学のコラボをお楽しみください。
それは私がいつも言うところの「国譲り理論」です(5年前のこちらの記事参照)。譲ることによって、最も大切な何かを純化して相手の中に残す。ちょうど昨日の記事で三輪山のことを書きましたね。大物主は国譲りした大国主の「和魂(にぎみたま)」です。
ナナフシで考えてみましょう。擬態もある意味では「譲り」です。羽を失うという損失を伴いながらも、自らを他者に似せることによって、自らの命を守らんとする。動物が植物のふりをするわけですから、これは「譲り」でしょう。
そして、さらに今回の研究結果から分かるように、なんと自らの命を捧げ、相手の中に自らの最も大切なものを残していく。これこそ「国譲り」の精神、文化、作法です。
大国主がそうでした。150年前、明治維新の日本もそうでした。もちろん、アメリカに捕食された戦後日本もそうです。
つまり、生命にとって、「譲り」は最高の知恵であり、テクノロジーなのです。
表面上は完全に欧米化してしまった日本、アメリカGHQによって骨抜きにされてしまった日本。まるでナナフシのようですね。情けないどころか、ちょっとカッコよかったりしませんか。私はそう思っています。したたかですよ、「国譲り」の使い手は。
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