中沢新一「野生の科学」〜ラモーの「Les Sauvages」
今日は東京でした。いろいろなプロジェクトが並行して進行中でして、それらを一つ一つこなすのではなくて、それこそ混ぜこぜに処理していくからこそ、いろいろと面白いことが起きます。
絶対に結びつかないようなことが、実は高次元(あるいは超低次元でw)結びつくことがあるから面白い。忙しいというのはいいことですね。
さて、今日もまたいろいろなコトやモノが結びついた一日でしたが、そのうちの一つを紹介しましょう。
まず東京へ向かう車の中で聴いたラジオ番組がこちら。中沢新一さんが語る「野生の思考」。中沢さんは山梨の出身でいらっしゃるし、若かりし頃、生前の仲小路彰に会うために、盟友の細野晴臣さんらと山中湖を訪ねたような方ですから、私も深いご縁を感じております。近い将来お会いできることを予感(確信)しております。
若い頃から中沢さんの著作には大変大きな影響を受けてきました。特にいわゆるアカデミーの世界にはまりきらない、ワタクシ的な表現でいうところの「ホンモノのモノ学」は、今の私の土台を形成していると言っても過言ではありません。
最近(と言っても2011年からですが)、中沢さんは明治大学の「野生の科学研究所」の所長さんを務めておられます。「野生」と「科学」はある意味矛盾する言葉どうしですね。これはワタクシの「モノ・コト論」で言いますと、まんま、「モノ」と「コト」ということになるので、まさに人類は「コトを窮めてモノに至る」という世紀を迎えているということですね。
さてさて、そういう意味で、今日練習したラモーの「優雅なインドの国々」は実に象徴的です。18世紀ヨーロッパは、科学(コト)がある程度進行し、産業革命の前夜的な雰囲気でした。実はそういう流れに対抗するがごとく、野生(モノ)に対する興味が再興した時代でもあります。
このラモーのオペラ・バレエも、そうした状況の中で生まれた名作です。中でも有名なこの曲。今日もしっかり練習しましたよ。26日の本番でもたっぷりお聴きいただくことになります。
曲名は「「Les Sauvages」。日本語で言えば、野蛮・野生です。コトを構築する形で発展した西洋近代音楽の中で、はたして野生はどう表現されるのか。
今となっては、そのオペラ・バレエの内容はツッコミどころ満載ですが、しかし、そこに生まれた音楽は実に魅力的です。まさに「野生の科学」。
それを現代日本人の私たちが演奏するわけですから、まったく面白いことであります。
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