子を守った母の愛…ある被爆者の奇跡
被爆者の講話を拝聴いたしました。今年は新宅勝文さん。今年91歳になられるとのことですが、大変お元気でした。
自らを世界最強の男、化け物と、なかば冗談のように紹介していらっしゃいましたが、その言葉もあながち間違いではありません。
なにしろ、爆心地から1.5キロの地点で被爆したにも関わらず、ほとんど無傷で、そして現在まで全く病気もせずにお元気であられるのですから。
近くで被爆した皆さんは、もちろん大変な重症であり、何人もの人を自分の腕の中で看取ることになったそうです。
その生々しい言葉には、本当に心から戦慄し、あらためて戦争の馬鹿馬鹿しさを確認することになりました。
講話の最後、思わず私は質問させていただきました。なぜ、なぜ、新宅さんだけが無傷だったのか…。
新宅さんの答えは、ある意味予想外でしたが、しかし大変納得できるものでした。
「亡くなった母が私を守ってくれたんです」
被爆する数年前、新宅さんはお母様を亡くしています。別れ際に母親は息子に「おまえは将来世界のために働くことになる」というようなことをおっしゃったそうです。
実際、今こうして世界中に非常に大切なことを説いていらっしゃる。なるほどなと思いました。
亡くなった方々、傷ついた方々には心からお悔やみを申し上げます。新宅さんも、なんで自分だけこんなに元気なのかと、ある意味悩み続けたといいます。
しかし、やはり奇跡というものはあるのですね。科学では解明できない、霊的な意識が、たまたまかもしれませんが、その瞬間、その一点に奇跡を引き起こしたのです。
霊的な意識というのは時空を超えます。それを愛というのかもしれない。それは強力なエネルギーですから、新宅さん自身の運命も大きく動かしてしまいました。しかし、それをしっかり受け止めて語り部として生きていらっしゃる。
新宅さん、本当にありがとうございました。いつまでもお元気で。
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