『明治天皇と日露大戦争』 大蔵貢 製作総指揮作品
大蔵映画がやらかしましたね。いやあ、この時代に黒塗り広告とは。
面白いのは、産経新聞と東京新聞は黒塗りにしなかったこと。右左、それぞれの意図と判断があったのでしょうね。
さて、大蔵映画と言えば、今や唯一のピンク映画製作配給会社として独特の存在感を示しておりますね。ある意味昭和の日本文化を頑張って継承してくれているともいえます。AV全盛のこの世の中で、それなりの作品性をキープしているというのは大したものです(?…なにしろもう数十年も観ていないので)。
大蔵映画の前身は新東宝。大蔵貢は新東宝の社長でした。近江俊郎のお兄さんですよ。すごい兄弟ですね。
で、大蔵さんは、ある意味不敬なことをとっくの昔にやってるんですね。
そう、今となっては名作、大ヒット作と言われる「明治天皇と日露大戦争」ですが、当時(戦後10年ちょい)天皇を主役にした勝ち戦の映画を作るというのは、かなり勇気のいることだったと思います。
明治天皇役として、史上初めて近代天皇を演じたアラカン(嵐寛寿郎)も悩み苦しんだと言います。そりゃそうでしょう。
不敬と言えば不敬。それこそ右からも左からも殺されるんじゃないかと思ったそうです。
しかし、実際には国民の5人に一人が観たと言われるような大ヒットになったんですよね。2012年の明治天皇百年祭では、なんと明治神宮で上映されました。大蔵さんにとっても夢のような未来の現実でしょうね。
で、その大蔵映画の系列会社が、今回の不敬映画を製作したと。明らかに昭和天皇をモデルにした内容だとのこと。
さすがに一線を越えているとは思いますが、正直に、本当に正直に言いますと、「観てみたい」。
製作はされたけれども上映されることはないということで、本当にお蔵入りになってしまったようです。
映倫も通過しているというのですから、ある意味びっくりです。時代が変わったとも言えるのでしょう。
いや、考えてみればですね、源氏物語を例に挙げるまでもなく、江戸時代までの古典作品には、た〜くさん高貴な方々が登場して、いろいろやらかしてますよ。それがある意味日本の庶民文化だったわけですし、聖俗ぐるっと回ってしまうというのもまた、日本独特の哲学というか作法であります。
そういう意味でも、やっぱり大蔵映画ってすごいなのかなと、ちょっと思ったりしております。
ということで、その原点的な「明治天皇と日露大戦争」の予告をご覧ください。総天然色シネスコだしなあ、本当に大蔵貢ってすごい人だったんですね。
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