「ぶるな。らしくあれ」
岐阜は井深の名刹、正眼寺の山川宗玄老師と主席をともにいたしました。
いろいろありがたいお話をうかがうことができました。やはりワタクシのような野狐とは次元が違いすぎます(当たり前)。
その中でも、この言葉は心に残りました。どういう文脈だったか、禅語ということではなく、老師さまの小学校の時の若い恩師の言葉だそうで、それが僧侶になってから響いていると。
たしかに重い言葉ですね。
たとえば、ワタクシ、とにかくしょっちゅう「先生らしくない先生」と言われます。それを聞いてまたいい気になっている(笑)。
先生ぶっているわけでは全然ありませんが、先生らしくもない…って、じゃあ、全然先生じゃないってことですよね。これはこれでいかん。
老師のお言葉からすると、「先生ぶるな。先生らしくあれ」ということになります。先生らしい…というのは難しいけれども、そこを求めて、目指して頑張るべきですよね。
ただ、「〜らしい」というのは、自分が決めるというよりも、他者の評価という気もします。
そういう意味では、禅というか仏教にも通じるかもしれません。「職業」らしい…というのに限らず、「名前」らしさ、たとえば「山口隆之」らしさというのも、たしかに自分では分かりませんよね。人から言われて、そうなのかなあと。そして、何回も言われているうちに、自分はそういう人間なんだとか、自分の個性ってこれなんだと信じ込むようになる。
そう考えると、「らしくあれ」というのは実に難しい。人に評価されたとおりにせよということになりかねない。他者の期待に応えるという言い方もできますが、そこにやはり自我や主体性はありえないのかもしれません。
やはり縁起しているんですね、自分は。
Amazon くり返し読みたい ブッダの言葉
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