「ぶるな。らしくあれ」
岐阜は井深の名刹、正眼寺の山川宗玄老師と主席をともにいたしました。
いろいろありがたいお話をうかがうことができました。やはりワタクシのような野狐とは次元が違いすぎます(当たり前)。
その中でも、この言葉は心に残りました。どういう文脈だったか、禅語ということではなく、老師さまの小学校の時の若い恩師の言葉だそうで、それが僧侶になってから響いていると。
たしかに重い言葉ですね。
たとえば、ワタクシ、とにかくしょっちゅう「先生らしくない先生」と言われます。それを聞いてまたいい気になっている(笑)。
先生ぶっているわけでは全然ありませんが、先生らしくもない…って、じゃあ、全然先生じゃないってことですよね。これはこれでいかん。
老師のお言葉からすると、「先生ぶるな。先生らしくあれ」ということになります。先生らしい…というのは難しいけれども、そこを求めて、目指して頑張るべきですよね。
ただ、「〜らしい」というのは、自分が決めるというよりも、他者の評価という気もします。
そういう意味では、禅というか仏教にも通じるかもしれません。「職業」らしい…というのに限らず、「名前」らしさ、たとえば「山口隆之」らしさというのも、たしかに自分では分かりませんよね。人から言われて、そうなのかなあと。そして、何回も言われているうちに、自分はそういう人間なんだとか、自分の個性ってこれなんだと信じ込むようになる。
そう考えると、「らしくあれ」というのは実に難しい。人に評価されたとおりにせよということになりかねない。他者の期待に応えるという言い方もできますが、そこにやはり自我や主体性はありえないのかもしれません。
やはり縁起しているんですね、自分は。
Amazon くり返し読みたい ブッダの言葉
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『失敗の科学』 マシュー・サイド (ディスカヴァー・トゥエンティワン)(2023.12.10)
- 『飄々と堂々と 田上明自伝』 田上明 (竹書房)(2023.12.07)
- ナイツ 『野球寿限無』(2023.11.15)
- 『松葉健康法』 高嶋雄三郎(2023.11.06)
- 廣松渉の「世界の共同主観的存在構造」(2023.10.25)
「心と体」カテゴリの記事
- 『失敗の科学』 マシュー・サイド (ディスカヴァー・トゥエンティワン)(2023.12.10)
- 不動明王の愛の荒魂(2023.11.28)
- 寝る子は育つ・寝ない大人は横に育つ(柳沢正史先生「睡眠」を語る)(2023.11.08)
- 松葉ジュースを作る(2023.11.07)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 『失敗の科学』 マシュー・サイド (ディスカヴァー・トゥエンティワン)(2023.12.10)
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 『首』 北野武 脚本・監督・編集作品(2023.12.05)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
コメント