渋沢栄一 『道徳経済合一説』
昨日の話にも通じます。明治維新以来の150年戦争とは、軍隊による戦闘を表しているわけでないことは、皆さまもよくお分かりのことと思います。
たとえば、資本主義市場経済というのが輸入され、それが根ざす個人の功利主義と、それまでの日本人が商いに抱いてきたある種の道徳観、利他主義との闘いという一面もあります。
そういう意味で、私たちはその150年戦争の前半にもいろいろ学ばなければなりません。たとえば、「日本資本主義の父」とも言われる渋沢栄一が、どのように内外、東西を自己と社会の中で融合、止揚していたかを、今知ることには豊かな価値があります。
「仁義道徳と生産殖利は全く合体する」…はたして、現代の経済人たちはこのような高い視点で活動しているでしょうか。
全体通しても10分あまりのものですから、ぜひお聴きください。
大正12年6月ですから、翁は83歳ですね。大変重みのある言葉です。
第一次世界大戦バブルが終わり、このあと関東大震災があり、そして昭和恐慌へと向かっていく時代。そう、150年戦争の折り返し点昭和18年に向かって、ある意味日本は破滅の道を歩むことになっていきます。
第二次世界大戦ももちろん各国の経済的な事情から起きた戦争です。というか、全ての戦争は経済戦争、もともとは食べ物の取り合いです。
その最悪の状況が昭和18年を中心とする太平洋戦争時代だったということです。私たちは、その悲劇から何を学び、何を未来的に創造しなければならなかったのか。
世界経済を牽引した資本主義市場経済も、150年を経て今岐路に立っています。道徳と経済の合体こそ、私たち日本人に特別に与えられた課題なのかもしれません。苫米地さんの言う「哲学の輸出」とは、そういうことも含まれているのではないでしょうか。
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