ネオテニーは地球を救う!?
産経新聞の正論に、動物行動学者の竹内久美子さんが日本人が持ち合わせる「人類最強」の性質とは…を投稿しておりました。
最近竹内さんの本を読んでないなあ。かつてはずいぶん勇気づけられたものだが。
というのは、竹内さん、たとえば「女は男の指を見る」のような男の指にこだわったエッセイをたくさん書いていまして、まさに「薬指が人差し指より長い」、すなわち男らしい(?)ワタクシとしては、大変いい気にさせられたのであります(笑)。
それらの本には、「ハゲは胃がんになりにくい」とか、そういう、ワタクシに有利な言説がけっこう散りばめられていて、ようやく援軍を得たような気がしていた。
いや、たしかにですね、ワタクシ、手だけはほめられることが多いのですよ。薬指が長いだけでなく、血管が適度に浮き出ているし、まあいちおうヴァイオリンなんかやってますから、繊細かつ器用に動いているのでしょうかね。
男としては手だけほめられても実はあんまりうれしくなかったのですが、この本を読んで、なるほど女性は男性の指に本体のセクシーさを見出しているのだと、まあ都合よくほかのことは忘れて得心したりしていたわけです。
で、もう一つ、竹内さんがよく語っているのが「ネオテニー」についてで、それもある意味私にも当てはまる特性でありました。というか、ワタクシに限らず日本人はみんな子供っぽいと。今回の正論もその話。
子供っぽいことはマイナスではなく、純粋、好奇心旺盛、発想が柔軟、優しいなど、プラスの側面もあり、それを再評価すべきとのこと。
私も全くいい年してバカみたいなこと言ってばかりで、それこそネオテニーのチャンピオンみたいな人間ですが、たしかにそれも徹底していると、それなりに価値を発揮しはじめたというか、人様にありがたがられる(めったにないと珍重される)ようになってきたとも言えます。
もちろんご迷惑もおかけしていて、立派な常識ある大人にいろいろカバーしてもらっているのは分かるのですが、これはしかたないですね。
そして類は友を呼ぶということでしょうね、一昨日の忘年会なんか、まあ素晴らしいネオテニー・パーティーでありましたよ。高城剛さんも少年のまんまですよね。
10年前にオーストラリアで「姉妹校訪問…ネオテニー再確認」という記事を書いておりました。
そこにこんなこと一節がありますね。
考えてみますと、日本のオタク文化は、大人による子ども文化なわけで、今やそれが日本文化を支える土台にすらなっているわけです。あるいは日本の産業の基幹である職人的な手仕事的な部分というのは、以前からある意味オタク的、幼児的、自閉症的でありまして、日本文化の分析にはどうしてもそういう視点が必要なような気がしてきます。
これなんか、竹内さんの説に近いかもしれません。
はたして未来、日本人のネオテニー性は地球を救うのでしょうか。それとも自らを絶滅に追いやるのでしょうか。私は竹内さんと同様に前者だと思ってますよ。
近代的な意味における「おとな」が、この地球を破壊していたのは事実です。コト(自我)に執着してモノ(他者)への共感を忘れた「おとな」の描いた利己的な夢は、もうそろそろ醒めることでしょう。
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