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2017.12.03

M-1グランプリ 2017

Th_ddbdd_760_2101715_20171204_12094 M−1、とろサーモンが優勝でしたね。個人的には、最近ひょんなことから身近に感じている和牛を応援していました。
 和牛のすごいところは、予選から全部違うネタを用意してきたことです。普通は鉄板ネタを何度か使って優勝を狙いますよね。彼らは全部違うネタを作ってきた。作るだけでも大変ですし、その配置を考えるだけでも非常に難しいことは想像に難くありません。まさに身を削って頑張っていますね。
 そういう意味では優勝候補と言われながら今年も優勝できなかったのは、本人たちも残念でならないでしょう。
 ことお笑いに限らず、シロウトがプロを偉そうに批評するのは、実にイタいことなんですが、ちょっと今日は少し大きな視点から感想などを。いちおうコント部(仮)顧問だもので(笑)。
 M−1は言うまでもなく「漫才」の王者決定戦です。キングオブコントはコントの王者決定戦。漫才とコントの違いについても言うまでもないでしょう。
 いや、というか、その境界がはっきりしなくなっているのが現状とも言えますね。たとえば今日のM-1でも、いわゆる伝統的なボケとツッコミのしゃべくり漫才はほとんどなく、だいたいがコント漫才、あるいは動きで見せたり、歌で聞かせてたり、場合によってはお互いに叫び続けるような、一言で言うならリズム系でしょうかね、そういう「新しい」タイプの漫才でした。
 和牛もとろサーモンも「コント漫才」やりましたよね。というか、旅館の女将と中居で少しかぶった感がありました(笑)。
 たしかにしゃべくり漫才よりも本は作りやすい。シチュエーションや動きで見せられますからね。観る方もコントの見方で観られるので楽といえば楽。
 私も数年前、コント部のある2人に漫才をやらせてみたんですが、その時の脚本の一部がこれ。ほら、やっぱりコント漫才になってる。

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 やっぱり演る方も観る方も分かりやすいし、全体として変化をつけやすいんですね。当然作る方も作りやすい。
 まあ、考え方によっては、落語の二人版とも言えますよね、コント漫才は。だから別に批判するわけではないんですが、なんかみんながみんな、そういう「今風」な漫才をやるとですね、伝統的なものも観てみたくなるわけですよ。
 もちろん、やすきよ時代からコント漫才はあるわけで、もう充分伝統的ではあるわけですが、あまりにみんなが同じような傾向になってしまうと、ふと基本に立ち返りたくなる時ってあるじゃないですか。今日はそういう気分でしたね。
 それから、個性、特技に若い内からはまってしまうと、つまり、一度ウケたネタを改編するだけだと、結果として自分たちの首をしめてしまいますね。
 和牛で言えば、水田さんの「自閉的ボケ」(言葉の意味を直線的にしかとらえられない)と、川西さんの常識人ぶり(そして時々壊れる)のパターンが多すぎかなと思っていました。今回で言えば決勝2本目がそうでした。だから私は1本目の方が面白いと思いましたね。前半普通にボケながら、後半それを回収するという私の好きなパターンでした。2本目はまあ得意の、いつものパターンでした。だから新鮮味がなくかったのかも。

 ま、シロウトはなんとでも言えますよね。どんなに大変な思いで、それこそ命がけで仕事していらっしゃることを知ると、本当はこんなこと言えないんですが。今日だけは許してください。
 皆さんお疲れ様でした。お笑いはまさに人を幸せにするお仕事。心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。

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