『未来への7か条』 益川敏英
今日も生徒とAIの話をしました。世間でもブームですね。
夏に「シンギュラリティ」はあり得るのかに書いたとおり、私はAIが人間を超えることに懐疑的です。AIはコトであり、人間はモノであると。
そこに書き忘れましたが、正確に言いますと、AIは人間の脳みそのある部分については、すでにはるかにそれを凌駕しています。
少し考えれば分かるとおり、計算能力や単純記憶能力においては、どうみても人間よりも優れている。まさにコト世界ですね。
で、「人間はモノ」という表現の中には、「人間には体がある」という意味も含まれています。いくらAIが発達しても、体の制御という面では、まあ永遠に人間のレベルには追いつかないでしょう。それはある意味、AIというよりもロボットの問題なんですがね。
ただ、人間と…と比較するならば、当然「肉体」というモノ部分も含めての比較でなければ、アンフェアです。
現在、最先端のAIとロボットの技術を総合しても、やはり人間の子どものように自転車を乗りこなすことはできませんし、サッカーや野球に興じることもできませんよね。
生徒にそんな話をしていた中、少し前にノーベル物理学賞受賞者である益川敏英さんの、こんなお話が記事になっていたことを思い出しました。
ノーベル物理学賞受賞 益川教授が証言! AIが絶対に人間にかなわないもの
益川さんは、私とは違った視点で、「AIは人間を超えられない」と言います。AIが人間に絶対敵わないもの。それは「好奇心」であると。
なるほど、そうですね。私たち人間は、それぞれ全く異なる好奇心を持っています。その対象を選んだ理由など、誰も分かりません。私たちは各自の好奇心を神様から授けられているのです。
もしかすると好奇心の一つとしてとらえれるかもしれませんが、「愛」というものもAIには欠けていますね。「AI」なのに「愛」がないとは、これいかに(笑)。
先ほどの記事の中で、益川さんは「未来への7か条」を挙げてくれています。共感いたします。
< 未来への7か条 >
1:現状に満足せず、常に挑戦的な気持ちを持つ
2:科学者に対し、充分な研究環境
3:科学の発見は本筋から外れた脇道からも生まれる
4:人間の知的好奇心はAIに勝る
5:科学技術がどう使われるのか、監視する
6:純粋な若い芽が育つ環境を作る
7:「夢とロマン」を真摯に追い求めるべし
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