JEFF LYNNE'S ELO 『Wembley Or Bust』
今日はなんと35年ぶりくらいに、ある人物に会いました。場所は新宿。
一気に心は少年時代に戻り、実に不思議な感覚にとらわれました。お互いいい大人になっているわけですが、気持ちはまさに十代の頃と直結している。
たしかに今の自分たちは様々な体験を積み、知識も増えている。しかし、その「今」もやはり過去の自分たちを元にできあがっている。そういう意味では、やはり、今や過去は未来の中に存在しているのだなと思いました。過去が今や未来を作るのではなく、未来が今や過去(その時の今)を作るのだと。
その再会の現場には、あれからのそれぞれのご縁によって、新たな家族、親戚が加わっていました。しかし、それさえもまた、あの頃からもうすでに決まっていたかのような自然さで存在する。面白いですね。
人生は素晴らしい。
富士山と新宿の往復の車の中で、偶然と言えば偶然、このライブ・アルバムをくり返し聴きました。まさに35年前と今をつなぐ音楽たちです。
私の音楽人生を決定したエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)。これもまた、あの頃にELOに出会ったから今があるというよりも、今の音楽生活のために35年前に必然的に出会った音楽だという気がしました。
ジェフ・リンは、若かりし頃の自分の曲を、ほとんどアレンジもそのまま演奏しています。それが感動ですね。それは、私たちのような往年のファンへのサービスというより、自分自身への愛情、尊敬、感謝に基づくものだと感じます。
もしかすると、この曲たちも、35年前に今(35年後)そのまま演奏するために生まれたのかもしれません。
なんと聴衆は7万人を超えたと言います。会場に入れなかった人たちも外で楽しんでいたそうです。
来年はそれこそ35年ぶりの全米ツアーも計画されているとか。日本でもやってくれないかなあ。この際、アメリカの一部としてでもいいや(笑)。
武道館は1978年2月22日でしたね。もし来年来日するとしたら、ちょうど40年ですか!ぜひ実現してほしい。
それにしても、ジェフは元気ですね(来月で70歳)。多少歌い方は穏やかになっていますが、「セルフ完コピ」を目指す姿勢も含めて、その音楽的意欲は若々しい。すごいレベルのギグですよ。
私はついついiTunesで音声データを購入してしまいました。本当は映像でも楽しみたかったのですが。今回はまず純粋に音を聴いてみたいというのもあった。
一部の映像も含めて、こちらでほぼ全曲視聴できます。
それから、向こうは動画撮影もOKなのか、当日のオーディエンス目線のビデオがたくさんアップされています。お客さんの幸せそうな姿にも感激しますね。
今回、このベリーベストのようなライブを聴きながら、私は全曲キーボードでコード進行を確認しました。35年前にはできなかったことですね。ある頃は、だいいちそういう発想も知識も技術もなく、純粋に聴いていました。
大人になって、ちょっと理屈っぽくなって、そんな聴き方もしてみたりするわけですが、そうしますとさらにその音楽の深さに驚くことができるのです。ビートルズを分析したときもそうでした。自然に感じていたところが、実は非常に凝った、あるいは変わったコード進行をしていたり。天才のお仕事とはそういうものです。
今日、本当に久しぶりに会った方とも、「時間は未来から過去へと流れている」というお話をしました。音楽を考えればわかりますよね。音楽は絶対に未来から流れてきますから。
本当に人生は、音楽は素晴らしい。流れていながら、そこに全ての瞬間があるのです。
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