MIDITrail (MIDIデータ三次元可視化ソフト)
昨日の続きとなります。付録のMIDIデータをMacで再生する時このソフトを使います。視覚的にも音を確認できるので。
MIDI関係に強い方は当然知っているだろうすごいソフトです。Windows、Mac、iOSに対応していますから、誰でも楽しめます。
私は以前から、音楽の可視化に興味がありました。それは「時間は未来から過去へと流れている」という哲学にも通じます。時間芸術である音楽が「向こうから来る」あるいは「降ってくる」というのをイメージするのに、このソフトでの可視化は最適です。
まず、先に「降ってくる」感覚を実感してもらいましょう。MIDITrailのピアノロールレイン機能による動画を御覧ください。
音楽が降ってくる感覚が、実に見事に表現されていますね。私たちはピアノの鍵盤のところ(今)で音楽を聴いているわけですが、記憶としては前に聴いていた部分は脳内に残っています。それが鍵盤の下に降っていくことによって表現されていますし、予感としての音楽の未来は降ってくるドロップが象徴しています。
このような「時間観」は、たとえば仲小路彰が「時間は天から降ってきて堆積していく」というようなことを語ったのと対応していますね。いずれにせよ、「これから」は「向こうからやってくる」。
次に実に感動的な光景を御覧いただきましょう。バッハのマタイ受難曲の第1曲です。
音楽としてもすごすぎますが、こうして構築物として視覚化されると、さらに感動が増しますね。8bitオケとボカロの組み合わせも実によい。
私たちは楽譜を見る時、まるで年表を読むかのごとく、左(過去)から右(未来)へと目を移していきます。それは、たとえば文章を読む時も同じで、こうした「記録」を読むようになってから、私たちは時間が「過去から未来へ流れている」と勘違いするようになりました。
もうお気づきと思いますが、このMIDITrailの動きと、私たちの楽譜を読む時の動きは、実は同じで、捉え方が相対的に違うだけです。
そう、実際の車の運転と、ゲームやナビ、シミュレーションなどを通しての運転の違いですね。自分が動いているのか、風景が動いているのか。
あくまでも、時間や音楽が流れているものであるなら、私たち、それを感じる者、聴く者は止まっていると考えるべきです。そうしますと、難しく考えるまでもなく、「時間は未来から過去へと流れている」ということが分かりますよね。
ただ面白い(難しい)のは、未来のある時間が向こうから今ここに来たとすると、その「時」は過去に生まれたことになるじゃないですか。遠い星の数万年前の爆発が今観測されるように。
実は、そこが時間の本質や、誤解の原因につながるのですが、それについてはまたいつか書きますね。今日はとにかく音楽の視覚化を楽しんでいただきたいと思います。
ぜひMIDITrailをダウンロードし、また、ネットで公開されている多数のMIDIファイルを見つけて再生してみてください。バッハもほぼ全曲公開されていますし。
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