バッハ 『フランス風序曲』
いろいろなお仕事のBGMにと、久々に流していたら、ついついじっくり聴いてしまった罪な曲(笑)。
クラヴィーア練習曲集の第2巻に収められているということですが、カップリングの「イタリア協奏曲」があまりに有名なせいで、逆にこの曲の魅力が忘れ去られています。
フランス風序曲(組曲)ということで、その形式、様式はもちろんのこと、当時の、たとえばクープランの同タイプの曲たちと同じように、器楽合奏で演奏してもかっこいいかもしれませんね。
そういう演奏はないのかと思い探してみましたが、ありませんねえ。ということは、自分でやれということでしょうか。編曲して演奏してみましょうか。
序曲は微妙ですけれども、舞曲になるとトラヴェルソでの演奏が目に、いや耳に浮かびますね。
もともとバッハはハ短調で作曲したらしい。それをなぜかロ短調に転調しているんですね。その理由については諸説あるようですが、もしかすると、トラヴェルソでの演奏を考慮したかもしれません。そんな気がしてきました。ま、音域的に無理があるところはありますけど。
私はこの序曲の序曲がけっこう好きです。特にフーガ部分はいい。7度の響きがなんとも言えないテーマがまずカッコイイ。器楽的な展開部もおしゃれですよね。フランスのイメージでしょうか。
ドイツの、たとえばバッハやヘンデルやテレマンといった巨匠たちが、お隣のフランスの洒落た音楽に憧れて、たくさん曲を書いていますよね。それがまた実にドイツ風フランスで面白い。本家とは明らかに違う。
ですから、この曲も結果としては、「ドイツ風フランス風序曲」ということになりましょうか(笑)。
最終曲の「エコー」は不思議な曲ですね。エコーもたいがいがpianoから始まってforteが続く。普通のエコーの感覚とは逆なような気もしますが。
いずれにせよ、全体的に大変よくできた佳曲だと思います。あまり演奏されることがないのが不思議ですね。やっぱりカップリング(A面)のイタリア協奏曲が有名すぎるのかな?
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