パールハーバー・アーカイブ
昨日の記事の続きです。
私はむやみに危機感を煽ることはあまり好きではありません。ナチスのゲーリングの次の言葉を忘れてはいけません。
もちろん、一般市民は戦争を望んでいない。貧しい農民にとって、戦争から得られる最善の結果といえば、自分の農場に五体満足で戻ることなのだから、わざわざ自分の命を危険に晒したいと考えるはずがない。当然、普通の市民は戦争が嫌いだ。しかし、結局、政策を決定するのは国の指導者達であり、国民をそれに巻き込むのは、民主主義だろうと、ファシスト的独裁制だろうと、議会制だろうと共産主義的独裁制だろうと、常に簡単なことだ。
国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。とても単純だ。
自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に晒す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。
この方法はどの国でも同じように通用するものだ。
しかし、一方でこのような歴史も忘れてはなりません。
真珠湾攻撃。言うまでもない日本海軍によるハワイ海戦、大東亜戦争の緒戦の一つです。
日本側の戦果、アメリカ側の損害が非常に大きかった一つの理由に、アメリカの油断があったことは定説となっています。
自然環境のみならず、軍備的にも「最強」と言われたハワイが、これほど見事なほどにやられるとは、正直アメリカ人のほとんどが思っていなかったと思います。
「リメンバー・パールハーバー」とは、そうした油断は禁物であるという意味です。
今の日本はどうでしょう。
北朝鮮のミサイルが実際に日本の上空を通過しても、大多数の日本人が「まあ戦争にはならないだろう」「北朝鮮が攻めてくるなんてことはないだろう」「アメリカがなんとかしてくれるだろう」といった感覚でしょう。
いくら国際的孤立という意味において似ているとはいっても、当時の日本と北朝鮮を同列に並べるのはナンセンスとも言えますが、「リメンバー・パールハーバー」の感覚は持っていてもいいのではないでしょうか。
もちろん、それは日本だけでなくアメリカにとってもそうです。実際、トランプ大統領は臨戦態勢にあるとも言えます。
この前こちらに書いたとおり、北朝鮮にとっては、日本はアメリカ軍の前線基地でしかありません。すなわち、当時の日本にとってのハワイと同じ感覚でとらえているのです。
そうしますと、当時のハワイの住民の立場が、今の私たち日本国民ということになりますよね。そう考えた時、参考になるのが、「パールハーバー・アーカイブ」です。
昨年、首都大学東京システムデザイン学部の渡邉英徳研究室によって公開された「パールハーバー・アーカイブ」。広島、長崎などと同様に、貴重な証言が上手にまとめられています。ぜひご覧ください。
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