おさかべホームコンサート 200回記念演奏会
昨日に続き、ふじさんホールにて音楽鑑賞。
期せずして、昨日書いたことを確認するコンサートとなりました。
高校野球をずっと観ていたあと、プロ野球を観ると、独特の感動やら違和感やらがあるじゃないですか。あれと一緒だなあと実感。
それぞれの年齢の音楽があって面白い。アマチュアとプロの両方の音楽のあり方が存在して当然。どちらも楽しければ良い。どちらも楽しくなければダメ。
富士吉田のパインズパークのすぐ上にある刑部邸は、地元の音楽好きには有名なお宅です。なにしろ自宅を開放してのホームコンサートを22年続け、とうとうそれが200回にまで到達したのですから。
文化不毛の地という自虐の言葉も聞かれる富士吉田において、特にクラシック分野においては孤軍奮闘されてきた刑部ご夫妻には感謝と敬意の念を禁じえません。
実はパンフレットをもらってビックリしたのですよ。なぜなら、21年前、第4回の時に出演したワタクシの、懐かしい(恥ずかしい)写真が掲載されていたもので(笑)。髪の毛がある!w
私も若かりし頃(とは言っても30代ですが)、2回コンサートに参加させていただきました。当時としてはまだ多少珍しさのあった「古楽器」の演奏家としてです。チェンバロを運び入れてバロック音楽を演奏させていただきました。
それからはずっとご無沙汰の状況。というか、出演者のレベルが世界的になって、ワタクシのような演奏者はお呼びいただけなくなったということですね。結構なことです。
今日の演奏会は3部構成。1部はピアノによるクラシック。2部はマリンバによるバッハからピアソラまで。3部はジャズトリオによるスタンダード特集。
それぞれいろいろなことを感じさせていただきましたが、やはり昨日のことからすると、高校野球とは違う、プロ野球の面白さを堪能させていただきましたね。その面白さは、場合によっては、面白くなさにもすぐに変わってしまうわけで、そういうプロ音楽の危うさみたいなものも感じました。
実際、ここ数年、私はかつてあれほど好きだったプロ野球中継をほとんど見なくなっています。代わりにといってはなんですが、高校野球は娘の影響もあってよく観るようになっている。違う魅力があるからですね。逆に言うと、プロの面白さに飽きてしまったと。
イベントとしても同じことが言えましょう。先月、31年続いた都留音楽祭が終わりました。一つの文化を作って安定したからこその決断でした。
もしかすると、ホームコンサートもそういう難しさを抱えているかもしれません。刑部ご夫妻はご高齢となっても、相変わらず意気軒昂でいらっしゃいますが、いつまでもご夫妻におんぶにだっこでは、地元の文化もだめなのかもしれません。
「初心忘るべからず」…なんとも深い言葉ですね。
最後に本日のプログラムを掲載させていただきます。お聴きになれなかった方も、いろいろ想像してみてください。
個人的にはピアソラの「バチンの少年」が良かったなあ。
プロクラムにはないアンコール、全出演者によるチック・コリアの「スペイン」は、いろいろな意味で聴きごたえがありました。クラシックとジャズをつなぐものはなんなのか。その答えが垣間見えた演奏でした。
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コメント
ご無沙汰しており、申し訳ございません。
刑部コンサート200回記念に素晴らしい投稿して頂き
びっくりしました。今頃気づきました。
先生のこれからもご活躍を期待してますので、体にご自愛下さい。
投稿: 萱沼郁雄 | 2018.03.13 11:25