有馬晴信終焉の地「甲斐大和」
長崎原爆忌。原爆投下の時間に甲府にいました。その後都留で音楽祭の打ち合わせや大学の学長さん副学長さんとお会いする用事がありましたので、甲州街道で笹子峠を越えて移動しました。
その途中、笹子トンネルのすぐ手前に、長崎に縁の深い方の終焉の地があるので立ち寄ることにしました。
長崎に縁の深い方…それは、有馬晴信です。有名なキリシタン大名ですね。
なんと、その有馬晴信は甲斐の国大和の地で斬首されているのです。墓所は不明になってしまっていますが、その謫居したところはわかっています。
有馬晴信の甲斐国への島流し(配流)については、没後400年祭の行われた2012年に流刑地「甲斐」という記事の中で一度書いています。
晴信が配流される原因となった岡本大八事件については、Wikipediaをご覧ください。よく分からない事件です。
岡本大八事件で、岡本大八は駿府安倍川河川敷で火あぶりの刑に処されています。そして晴信は甲斐国郡内(都留)に島流し。のちに切腹を命じられますが、キリシタンは自死を禁じられていたので斬首となりました。
ここでちょっと気になるのは、大八事件で取り調べをする側にあった甲斐国出身の大久保長安も、のちに安倍川でさらし首になっていることです(大久保長安の謎についてはこちらの記事参照)。
どうも徳川家は甲斐の国に何か特別な感情を持っていたようです。富士山をはさんで、今も静岡と山梨が微妙な関係にあるのは、このあたりからの伝統なのかもしれません。
晴信を甲斐の郡内に島流しにしたのはよかったけれども、そこはまさに「生黄泉」の国。妙な霊力を身につけては困るということで結局死刑に処したのかもしれません。
晴信の悲しい人生について、キリスト教の本国ヨーロッパでは、当時物語として語られていたようですね。そのあたりについても調べてみたいと思います。音楽劇もあったかもしれません。
話がいろいろ飛んで申し訳ありませんが、今年、30年以上続いた古楽の祭典「都留音楽祭」が最終回を迎えます。有馬晴信が流された地で、当時晴信も聴いたであろう古楽の祭が長く継続したのは、もしかしてそのようなご縁があったからなのでしょうか。
そんなことを思いながら、晴信終焉の地にお参りいたしました。まさに信仰や音楽は時空を超えるのです。
また、キリスト教国によって長崎に原爆が投下されたことを、晴信は遠く山梨の山の中で、どのような気持ちでとらえているのでしょうか。
なんとも不思議な気持ちになりました。
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