« (直日の)八雲琴復元 | トップページ | ウエイン・W・ダイアー博士 スピリチュアル・インタビュー »

2017.08.22

自己実現と自己超越

Th_hierarchyofneedsplan 日はある研修で、心理学者である国司義彦さんの講演を聴きました。時間が足りなかったからか、講演自体はややまとまりに欠けていましたが、配られたレジュメの内容は実に示唆に富むものでした。
 国司さんが鮎川義介のところで育ったというのにはビックリしましたね。あの時代の超大物に触れていたからこその、今のユニークな活動があるのでしょう。個人的にはぜひゆっくりお話をうかがいたいと思いました。
 国司さんの心理学の中心にあるのはマズローの人間性心理学です。あの欲求段階説のマズローですね。
 あるいはそこから発展したトランスパーソナル心理学。講演では、ダイアーの著書を薦めていましたね。ダイアーになると、ちょっと心理学からスピリチュアルに傾く感じがしますが、時代(科学)がようやくそちらに追いついてきた感のある現代、国司さんのような在野の心理学者の言葉が、俄然真実味を帯びてきたようにも思われました。
 さて、マズローの五段階の欲求説はあまりに有名ですが、国司さんの言うとおり、最終段階、ピラミッドの頂点にある「自己実現欲求」は正しく理解されているとは言えません。
 最も事実とかけ離れた誤解は、「自己実現=わがまま・自己本位」という認識でしょう。そう、世の中で使われる「自己実現」という言葉には、どうしても「単に自分の夢を叶える」という意味合いのものが多く、またその際の「自分の夢」の次元が、「金持ちになりたい」とか「美しくなりたい」とか、そんなレベルの場合が多いようで、そうした誤解が生じるのもしかたないような気がします。
 かつての自分もそう思っていました。しかし、マズローが説く、「自己実現者の特徴」を読めば、そんな次元での「夢の実現」ではないことが分かりますね。復習してみましょう。

 《自己実現者の15の特徴》
・現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
・自己、他者、自然に対する受容
・自発性、素朴さ、自然さ
・課題中心的
・プライバシーの欲求からの超越
・文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
・認識が絶えず新鮮である
・至高なものに触れる神秘的体験がある
・共同社会感情
・対人関係において心が広くて深い
・民主主義的な性格構造
・手段と目的、善悪の判断の区別
・哲学的で悪意のないユーモアセンス
・創造性
・文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

 国司さんの言い方をお借りすれば、「自己実現=世界人類のために自己を活かす」ということになります。そのとおりだと思います。
 私もようやく最近そういう境地に近づいてきたようで、そのおかげか、ピラミッドの下部(欠乏欲求)、承認(尊重)の欲求 、社会的欲求、所属と愛の欲求、安全の欲求、生理的欲求へのこだわりはずいぶん少なくなりました(もちろんまだまだですが)。
 晩年、マズローは5段階の頂点の「自己実現」の先に「自己超越」を想定しました。次に挙げる「自己超越者の特徴」を見ると、より宗教的な世界に近づいていることがわかります。

 《自己超越者の11の特徴》
・「在ること」 (Being) の世界について、よく知っている
・「在ること」 (Being) のレベルにおいて生きている
・統合された意識を持つ
・落ち着いていて、瞑想的な認知をする
・深い洞察を得た経験が、今までにある
・他者の不幸に罪悪感を抱く
・創造的である
・謙虚である
・聡明である
・多視点的な思考ができる
・外見は普通である

 たとえば仲小路彰などは、この境地に至っていたと思います。外見が普通であったかどうかは微妙ですが。
 私たち人間は、欲求のピラミッドを年齢とともに登っていくとも言えます。頂上の先に「自己超越」があるとして、皆さんは今何合目くらいにいますか。
 私も含めて、「承認の欲求」、それも他者から「いいね!」されたいという程度の低次な承認欲求あたりでウロウロしている大人が多いような気もしますが(苦笑)。

|

« (直日の)八雲琴復元 | トップページ | ウエイン・W・ダイアー博士 スピリチュアル・インタビュー »

心と体」カテゴリの記事

自然・科学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/65699625

この記事へのトラックバック一覧です: 自己実現と自己超越:

« (直日の)八雲琴復元 | トップページ | ウエイン・W・ダイアー博士 スピリチュアル・インタビュー »