太平山煙岡神社(羽後町)
秋田でお盆の墓参り。秋田の不思議なお盆については、ずいぶん前にこちらにも書きました。あまりに見事な神仏習合。
その帰り、カミさんが懐かしい所に行きたいということで、いくつかのポイントを回りました。たしかにこれが日本の原風景、ある意味消えてゆく姿もまた、国譲り的な美しさを感じました。
さて、そんな中、逆にカミさんが地元でありながら、実は一度も行ったことのない所にも行ってみました。
羽後町の太平山にある煙岡神社です。すぐ近くのみはらし荘には、私も一度連れて行ってもらったことがありますが、煙岡神社は初めて。
まず、その社名に興味が湧きますよね。どうも、幻の羽後城の狼煙台だったらしい。証拠はありませんが、たしかにここからの眺望は素晴らしすぎ。狼煙台には最高の山ですね。
横手盆地を一望できるだけでなく、日本海も見える日があるとのこと。夜景も美しいとか。
夕刻、入道雲の立ち上る田園と遥かな稜線は、普段空の狭い山梨県に生活する者にとっては、実に新鮮。と言いますか、なにか異世界に迷い込んだような感じさえします。
さて、この煙岡(けむりがおか)神社、田代の地主、昨日の鎌鼬美術館の建物の持ち主でもあった、長谷山家によって「再興」されたということです。かつては山自体がご神体であったのでしょう。祭神は結局分からずじまい。
義父母に聞くところによると、雨乞いの神様だとのこと。社務所は田代の旦金森(だんごもり)にあります(鉱山の匂いのする地名ですね)。麓の人々がお山に雨乞いをしたのでしょう。
ちなみに太平山という名前から分かるとおり、煙岡神社の近くに三吉神社もあります。秋田だけでも太平山という山は八つあるとか。本家秋田市の太平山信仰、三吉信仰が各地に広まり、いわゆる太平山講、三吉講がここにも到達していたことがわかります。
参拝して中を覗かせていただくと、日の丸の扇が祀られていました。どのような由緒がある扇なのでしょうか。
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