『731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』(NHKスペシャル)
終戦の日。昨日まで出かけていたので、たまっていた録画をいくつか観ました。その一つがこれ。
人間性を奪う戦争の恐ろしさを感じずにはいられません。
これを「捏造だ!」と言ってしまうのは簡単ですし、実際、アメリカやソ連の思惑がからんだ難しい事件であることはたしかです。
南京事件などもそうですが、「なかった」と言ってしまうのは、やはり言い過ぎでしょう。かと言って「あった」として全面的に認めるのもどうかと思います。
そう、8月15日にはいつも思うのですが、たとえば靖國の英霊たちも、まさに十人十色で、戦争で散ったことを無念に思い、国を恨む人もいれば、お国のために戦ったことを心から誇りに思っている人もいます。
軍人に限らず、あの戦争を正しかったという人もいれば、いや間違っていたという人もいるはずでし、あの当時もいたはずです。
いつかも書いたとおり、そうした無数の感情や志、未来への思いなどを十把一絡げにしてしまうのが「歴史」の残酷さだと思います。
ですから、この番組をめぐって左右の人たちがお互いを認めず、罵り合ったり蔑み合ったりしているのを見ると、実に残念な気持ちになります。
これもいつも書いているとおり、私たちは、自分の中にも、残酷な自分や弱い自分、ずるい自分、反対に強い自分や正義を守る自分、あるいは迷う自分などがいることを認めないといけません。
一面的に過去の戦争を語ることが対立を生み、次の戦争を準備してきたという歴史的真実を忘れないことも忘れてはいけません。
最近、かつて日中戦争に赴いた祖父が書いた本をあらためて読みました。私と同じ高校の教師だった人です。教育者として兵隊になり、戦後帰国してから再び教壇に立った祖父。喜寿を迎えた祖父が書き残してくれた大切な真実です。
祖父は私にとっては本当に人間味あふれる、尊敬すべき人でした。そんな祖父が戦地でどのような体験をし、どのような精神状況におかれたか、その本には詳細に書かれています。
ごく身近な人にのみ配布された私家本でしたが、非常に重要な記述も含まれていますので、近くこのブログで全文を紹介しようかと考えています。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『ウルトラ音楽術』 冬木透・青山通 (集英社インターナショナル新書)(2022.05.22)
- 『シン・ウルトラマン』 庵野秀明 脚本・樋口真嗣 監督作品(2022.05.19)
- 笑点神回…木久蔵さん司会回(2022.05.15)
- 『教祖・出口王仁三郎』 城山三郎(その7)(2022.05.09)
- NHKスペシャル 『東京ブラックホールⅢ 1989-90魅惑と罪のバブルの宮殿』(2022.05.01)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
- NHKスペシャル 『東京ブラックホールⅢ 1989-90魅惑と罪のバブルの宮殿』(2022.05.01)
- ひろゆき&成田悠輔(&パンダ)vs 泉健太 立憲民主党代表(2022.04.10)
- 菅義偉 前首相を正しく評価せよ!(2022.04.04)
- ゼレンスキー大統領の国会演説をキエフ市民はどう聴いたか(2022.03.26)
「心と体」カテゴリの記事
- ジャンボ鶴田さん23回忌(2022.05.13)
- 『教祖・出口王仁三郎』 城山三郎(その8)(2022.05.10)
- お金の力(2022.04.30)
- 『都道府県別 にっぽんオニ図鑑』 山崎敬子(ぶん)・スズキテツコ(え) (じゃこめてい出版)(2022.04.24)
- いのちの歌(2022.04.15)
「自然・科学」カテゴリの記事
- この世界を支配する“もつれ”(2022.05.23)
- 「核融合発電の時代はくるの?」専門家に聞いてみた(2022.05.21)
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- 出口王仁三郎 「天災と人震」(『惟神の道』より)(2022.05.14)
- 核融合のギモンまとめて答えます (岡野邦彦)(2022.04.12)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- この世界を支配する“もつれ”(2022.05.23)
- 『ウルトラ音楽術』 冬木透・青山通 (集英社インターナショナル新書)(2022.05.22)
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
コメント