第31回都留音楽祭 3日目
都留音楽祭の3日目。3日目と言えば、恒例の海外講師コンサート。
今年は最終回ということもありまして、世界を代表する素晴らしい歌手お二人においでいただいています。まず、ソプラノのロベルタ・マメリ。そして、テノールのルーファス・ミュラー。今まで大変お世話になり、そしてそれぞれの素晴らしすぎるリサイタルに何度も感動させていただいたお二人です。
今年はなんと、そのお二人と、そして日本を代表する歌手であるメゾ・ソプラノの波多野睦美さんの三人が共演するという、まさに夢のまた夢のコンサートが実現いたしました。いやあ、夢でも実現しそうにない組み合わせです。
そして、それが本当に夢でもありえないような至福の時間となったのです。
本当に初めてです。コンサート中に「このまま死ぬんじゃないか」と思ったのは。神の声を聴いたというか…いや、マメリさんにも申し上げましたが、「天国のささやき」を聴いてしまったと…そんな感じでした。
三人とも弱音(微音)のコントロールが神がかりでした。そして、それら三神のささやきが共鳴しあい、より微細な世界へ私たちを誘う。
ああ、なるほど、神の世界は広大かと思いきや、実は極微なんですね。ミクロがマクロ。無限小が無限大というような感じなんですね。
歌ってすごいなあ…あらためて思いました。そして、音楽はたしかに私たち人間が高次元宇宙(神)につながる方法なのだなあと感じました。
歌詞の世界も重要ですが、それだけとれば、それはあくまでもこの3次元的世界に刻印された情報にすぎません。しかし、それが音楽に乗ると、突然高次元の宇宙意識の世界につながるわけですから、本当に不思議ですね。
そういう意味において、たしかに私たち人類にとって、音楽は進化への道標となるわけで、まさに「No Music No Life」ですね。
それにしても本当に幸せな時間でした。この三人のリサイタルでありながら、大ホールは空席が多かったのは残念といえば残念ですが、逆に言うと、あのうぐいすホールの素晴らしい残響がフルに生かされたわけで、そういう意味においても、大変贅沢なコンサートであったと思います。
生きていてよかった。大学受験に失敗して都留に来てよかった。心からそう思える瞬間の連続でした。人生とは面白いものですね。
プログラムを載せておきます。マメリさんもおっしゃってました。パーセルの「ダイドーとイニーアス」はすごい作品だと。歌い手も特別な精神状態に追い込まれるということでした。
あっ、それから、ある意味お恥ずかしい話なんですが、ルーファスさんの歌と小倉さんのフォルテピアノのおかげで、人生で初めてシューベルトっていいなあと思いました!
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