吉田の火祭り 2017
上吉田の諏訪神社の例大祭である「すすき祭り」の前夜祭である「吉田の火祭り」。今年は土曜日ということもあって、大変な賑わいでした。特に外国人の多さには驚きましたね。
今までも何度もこの「火祭り」については言及してきました。
富士山の鎮火祭であり、諏訪の御柱祭の派生型であり、お盆の送り火の拡大版でもある「火祭り」。なかなか面白い行事です。
何度も書いてきたように、この祭はあくまで諏訪神社が主体。その証拠に、浅間神社の神様(木花咲耶姫)が諏訪神社の神様(建御名方神)のところへ「あ・そ・ぼ!」と訪れ、いろいろ相談したのちに、同じ車(神輿)に乗って街に繰り出していくのですから。
出雲の和魂が三輪山、そして伊勢を通って、この富士山に到達したのが、浅間神社の祭神木花咲耶姫です。一方、出雲の荒魂が日本海側を通って諏訪におさまり、そこから南下して富士山に到達したのが、諏訪神社の祭神建御名方神です。
出雲で別れた両魂が富士山(不二山)で一つになるという壮大な物語に気づいている人は誰もいません。
しかし、面白いのは、その車(神明神輿)の後ろから、保護者たる真っ赤な富士山がついてくることですね。すなわち御山神輿。これには何が乗っているのか、正直よくわかっていないのですが、まあ間違いなく古来の富士山の神様である国常立命でしょうね。浅間大神(あさまおおかみ)と言ってもいい。
そう、若い二人の年一回のデートを、父親が心配して後ろからついていくという感じなんですよね(笑)。
それがとっても面白い。
それから今年はちょっとまた別に面白いことがありました。コノハナサクヤがタケミナカタのところに迎えに行って相談をする、その相談が例年より長引いたんですよね。
そうしたら、人間界で喧嘩が起きた。いろいろな法被を着た、地元の男衆(氏子・セコ)のグループ(講)があるんですが、そのうちのあるグループの若いのと、あるグループの若いのが一瞬つかみ合いの喧嘩になりそうになった。
もちろん先輩が止めに入って、お互いに代表(長老)が詫びを入れてすぐに手打ちになって笑顔に戻りました。
おお、喧嘩は祭の華だなとも思いましたが、もっと高い次元で言いますと(昨日の話で言えばモノの次元)、喧嘩が手打ちになった、すなわち荒魂が和魂でおさめられたその時に、神様どうしの相談も終わって、さあお出かけしましょう(出輿)という段になった。
ああ、なるほどなあと思いました。祭って、神様の世界で起きているモノを、人間たちが象徴的にコト化しているんだなと。
神様と人間の関係を垣間見たような気がして、本当に感動しました。
神明神輿と御山神輿が、浅間神社と諏訪神社の結界に作られた「高天原」におさまり、宮司さんの祝詞が終わった瞬間に、さあっと涼しい風が天から吹いてきて、皆さん驚いていました。
ふむ、祝詞という情報(コト)が神という意識(モノ)世界に影響を与え、それがまた風という物質(コト)世界に影響を与えるのですね。
そう、ふだんはモノ世界の方がコト世界よりも上位次元なので、下から上へは影響を与えられませんが、神事や音楽という特殊な手段を通じますと、下から上へもアクセスできるというわけです。
すごいですね、この世界は。
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