シルクセンター@横浜
以前も紹介しましたが、昨日演奏会の合間に再び訪問いたしましたので、ここに紹介します。
一昨日、本当に不思議すぎるご縁で、シルクに関する大きな大きな前進を実感することができましたことを、その時に直観しましたとおり、高松宮妃喜久子さまにご報告感謝申し上げてきました。
そう、横浜のシルクセンター内にあるシルク博物館には、喜久子さまの揮毫になる、かつての「シルクギャラリー」にあった「絹の道」の看板や壁飾が展示されているのです。
昭和39年(私が生まれた年です)の東京オリンピックを中心に何年間か、「日本の絹を世界の女性に」というコンセプトで作られた高輪光輪閣の「シルクギャラリー」。それについては、今調査してまとめているところですので、近いうちにどこかで発表できると思います。
見事な「有栖川流」の文字ですよね。高松宮家は有栖川流の祭祀や芸道を継承しました。有栖川家に続き、高松宮家も断絶してしまったので、現在それを継いでいるのは秋篠宮家とうかがっております。
少し話がそれますが、競馬の高松宮記念に関係して「シルクロードステークス」というのがありますが、この名称は高松宮家とシルクロードとの深い関係をさりげなく示しています。
シルクギャラリー(財団名シルクロード・ソサエティ)に関わっていたのが、表面上は川添浩史(象郎)ら。裏には当然山中湖の仲小路彰がいました。そのコミュニティーの一角で重要な地位にあった建築家の坂倉準三。コルビュジェの弟子である彼がこのシルクセンターの設計を担当しました。たしかにこれぞモダニズムというべき、斬新かつ実用的な建物ですね。今でも新しさを感じます。
シルクセンターの完成は昭和34年。シルクギャラリーもその頃に始まりました。当時の仲小路の文献を読むと、シルクロード、聖徳太子、絹が一つのキーワードになっていることがわかります。
仲小路独特の歴史思想の一つである、「日本に世界の文物が集合し、そこで純化・高度化して、それがまた世界に戻っていく」という発想の一つの象徴としてシルクがあったのでしょう。そしてそうした役割を果たす日本人の理想像としての聖徳太子。
そんなわけで、シルクと富士山の関係も非常に重要になってくるわけですが、一つ山梨関係で面白いことがありますので、少し脱線しますが紹介しておきます。
横浜のシルクセンターに刺激されたのが、山梨県でも昭和35年に県の団体施設として「山梨シルクセンター」を開設しました。それを引き継ぎ、株式会社にしたのが辻信太郎さん。そうです、今や日本が世界に誇る企業となった「サンリオ」の前身が「山梨シルクセンター」だったのです。
ある意味、辻信太郎さんが、キャラクター・ビジネスの分野において、仲小路彰の夢を実現したということですね。その後、ご存知のとおり、日本のシルク産業は斜陽の一途をたどるわけですが、そこからあのキティちゃんが生まれ、世界中で愛されているというのは面白い事実です。
辻信太郎さん、今年90歳になられますが、まだまだ現役で頑張っておられます。辻さんの独特の平和思想も、どこか仲小路彰につながるような気がします。歴史の「綾」というのは実に面白いですね。
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