青山繁晴 『妬みの産物、陰謀論とリアルポリティクスの違い』
昨日の討論に続いて観た動画。共感したので紹介しておきます。
陰謀論、陰謀説に対する私の基本的な姿勢は、こちらやこちらに書いたとおりです。否定はしない。嫌いではない。いや結構好き(笑)。しかし、与しない。
非常にストレートに言えば、陰謀論というのは「単純化」です。実際の人間社会、いや自然界は非常に複雑であり、しかし一方で宇宙の仕組み的に言えば、もしかすると単純なのかもしれない。
そうした矛盾した「実感」を物語化したのが「陰謀論」だと思います。ですから、人間の脳という小宇宙の中では、もしかすると真実なのかもしれない。
陰謀論を生み出す要因の一つに、個人的なルサンチマンや恐怖、あるいは妬みというモノがある。そこがある意味リアルですよね。歴史を動かすのは最後は個人的感情ですから。
前掲の秦さんの本に、陰謀論の主役の一人として仲小路彰の名が出てきます。
仲小路に対する評価としては、ある意味正しいとも言える。伊藤隆先生も似たような評価をし「アブナイ」とおっしゃっていました。
つまり、従来の歴史学の限界がそこにあるわけですね。逆に言えば実証的な歴史学や、青山さんの言うリアルポリティクスが、ギリギリのところで「物語」の巨大化を防いでいるとも言えます。
そうして、私たちはバランスを取って生きており、社会を形成し、歴史を紡いでいくわけです。
それにしても、たしかに世の中の陰謀論はなかなか消えません。というか、陰謀論ありきで、そこから逆算して現実が動いていくこともある。
さらに言えば、「いい陰謀論」もあるわけですね。誰かが見えないところでこの世の中を良くしようとしていると。そう、宗教がそうなんです。神の存在とは、まさに「いい陰謀論」なのです。
そして、その「いい陰謀論」と「悪い陰謀論」の両方を感知し、総体としてこの宇宙や自分の脳内を観察できるようになったのが、たとえば出口王仁三郎や仲小路彰のような大天才なのではないでしょうか。
そう言えば、今日の「そこまで言って委員会」は面白かったですね。まさに各新聞社がそれぞれの「陰謀論」に従って動いているように見えました。もちろん「いい」&「悪い」両陰謀論です。
昨日の討論でのメディア論にも全く同じことが言えますね。仮想敵というのこそ身近な陰謀論の主役です。
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