「元に戻す」のも改憲
安倍総理の改憲メッセージが物議を醸していますね。
昨日は共産党が保守化しているというような話を書きましたが、こちらはある意味自民党が野党寄りになったとも言えます。加憲的改憲案ですからね。自主憲法制定案や自民党改憲草案とは大違いです。
まあ、懐柔策、あるいは現実的作戦としては、ずいぶん前から保守陣営の一部でもささやかれていたアイデアですし、私も同じようなことを考えたことがありました。
しかし、たしかにちょっと唐突な感じがしましたね。石破さんが激怒するのも分かる気がする。きっと自民党内に対する強いメッセージだったのでしょう。誰が指南したのかな?
そうそう、最近、首相にごく近い方にこんな話をしました。ぜひ首相にもお伝え下さいと。「改憲して変わった条文を元に戻すのも改憲ですよね」。
そうなんです。戦後ずっと憲法には触れてはいけないと洗脳されてきたり、あるいは現実的に全く改憲されないという状況が先入観を生んだりして、私たちは「改憲されたらその変わった部分はもう変わらない、変えられない」とも勝手にイメージしてしまっているのです。
実際にはちょっと考えれば分かるとおり、ある条文を変えたり、加えたり、文言を直したりできるのなら、それを元に戻すことも可能になりますよね。
だから、たとえば近い将来初めての改憲があったとしても、いやあったればこそ、今度は元に戻すこともすぐに可能になるかもしれないのです。
護憲派の皆さんは、そうしたら今度は「元に戻す」ことを標榜して選挙に勝てばいいのです。まあ、護憲派が改憲を唱えるという自家撞着に陥りますが(笑)。
いやいや冗談ではなくてですね、やはり「現憲法は破棄、自主憲法制定!」とか「現憲法死守!」とか両極端なことを言い合って時間を浪費するのではなく、憲法の最も大切な存在意義が「我々が目指すべき未来的理想の標」であることを忘れず、自由に、そして自然に議論をしたいのであります。
憲法には現実と理想の相克、哲学的矛盾が内包しています。だからこそ、遠くに見える高い頂きに至るために、多少寄り道というか、遠回りをしても、またその頂きに至る元に道に戻るという発想があっても良い。
分かりやすく極論すればですね、自衛隊がいらなくなった時が来たら、加えられた自衛隊に関する条文を削除すればいいのですよ。
そういう意味で、今回の安倍さんのメッセージは、非常に大きな意味と影響があると思っています。敵も味方もびっくりのこの秘策、いったい誰が指南したのでしょうか。
しっかし、今日のプライムニュースでの、民進党の「優先事項」には失笑してしまいました。
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