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2017.05.16

結縁尊縁随縁

Th_2017051600000074san0002view 日、中曽根康弘元首相の「白寿」を祝う会が開かれたとのこと。
 総理大臣という重責を長期間担ったということだけでも、大変なストレスがあったでしょう。さらに引退後も政治力学の隠然たる中心点の一つとして、多くのご苦労があったと思いますが、このようなご長寿で、さらに健康、聡明でいらっしゃることに対し、純粋に尊敬の念をいだきます。
 今年の憲法記念日に中曽根さん作詞の憲法改正の歌を紹介しました。そこにも書いたとおり、憲法改正に対して、私は中曽根さんとは相容れないところがあるのですが、しかし、まさに白寿に至っても衰えない深い「祈り」の力にも、純粋に心を打たれます。
 そう、この会で中曽根さん自身が「この国をよりよくして未来へとつないでいく。それこそ人生の深い祈りにも似た願いだ。その強い思いを持って、最後のご奉公に励み、自らの天命を全うする所存だ」とおっしゃったんですね。
 「人生の深い祈りにも似た願い」…この言葉は重いですね。そして「未来」「天命」。こうした言葉を、私もついつい格好つけて使ってしまいますが、中曽根さんの半分しか生きていない、それも市井の輩とは、その深みが違いすぎますね。
 さらにいい言葉だなと思ったのは、「結縁尊縁随縁」です。「縁を結び、縁を尊び、縁に随う」…これは私もかなり分かってきました。縁によって生かされているというのは、まあ仏教の教えの根本の一つではありますが、それもまた、百年生きた、いや職業渡世の中で修行された中曽根さんがおっしゃると、やはり理屈ではなく体験の重さ、深さというものを感じさせますね。
 まずは縁を結ぶ。そこにはということもあるでしょう。それらも含めて全てを尊ぶ。結果として、「随う」という他者性(モノ性)に到達する。
 総理大臣をされた方でも百年かかるわけですから、私は最低でも二百年くらい生きないとなあ。それを30そこらで悟ったお釈迦様はやっぱり特別な天才ということにもなるでしょう。
 ところで、あくまでも「自主憲法制定」を志とする中曽根さん、安倍総理のあの「加憲的改正論」に対して、心の中ではどのように評価しているのでしょうか。
 

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