『大東亜戦争は日本が勝った』-英国人ジャーナリスト ヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」 (ハート出版)
昨日の記事にも名前が出ましたが、ここ数年、昭和の吉田松陰とも世紀の天才とも称される、歴史哲学者仲小路彰の研究をしています。
この本のタイトルどおりことを、また内容どおりのことを、仲小路彰は昭和20年の8月16日に「我等斯ク勝テリ」という文書にして、当時の重要な部署に配布しています(実際の配布時には「我等斯ク信ズ」に改題)。
いまだほとんど世に知られていない仲小路の功績。一部の保守論者たちがいわゆる大東亜戦争肯定論を唱える際に仲小路の文献に触れるくらい。戦前戦中の戦争推進者、スーパー右翼のように言われることさえある。
しかし実態はとてもそんな安易なくくりの中には収まりきらない本物の巨人であります。私も彼の思想、業績を把握、理解するのにはおそらく千年くらいかかると思います(冗談でなく)。
特に知られざる戦後の彼の膨大かつ高次元な活動を知れば知るほど、戦前戦中の主張の本意がわかってくるというものです。それらはきっと時が来れば世に出るものと思われます。
世に出ていないものをどう紹介すればいいか、非常に難しいわけですけれども、最近読んだこの本の主張は、かなり仲小路彰の大東亜戦争観に近いと感じましたので、ここにそういう意味も含めて紹介いたします。
この本のサブタイトルに「世界史の中の日本」とありますね。それこそが仲小路彰の地球観、日本観、歴史観、戦争観、平和観、さらには天皇観の基礎となっています。そして、そのレベルが深く高く広く、最終的には世界を超えて宇宙の歴史にまで及んでいるという感じです。
そういう意味では、著者のヘンリー・ストークさんには申し訳ないのですが、この本は仲小路彰の足元の部分だと言ってしまってもよい。もちろん、そうした深遠なる真実の歴史の入り口に、私たち日本凡夫を立たせてくれるということで言えば、ストークさんに大感謝と大敬意を表したいと思います。
やはり、イギリスやアメリカを中心とする「白人」の歴史を、当のイギリス人ジャーナリストが白日の下に明らかにしてくれているところに価値がありますよね(ある意味、自虐史観を強調する日本人の裏返しとも言えますが)。
ヨーロッパ、アジアを中心とする世界史を概観する部分に紙数を割いていますので、私なんかには良い復習ともなりました。
もちろん、そうした記述には、専門の歴史研究者からすると多少の偏りや変形も指摘できることでしょう。そう、最新の歴史研究は、私たちの知らないところで大変進んでいます。先日も某大学の若手教授から、びっくりするような研究成果を聞かされました。
たしかに、たとえばこの本に描かれていることは、仲小路が戦前からずっと言ってきたことと同じとも言えるわけで、そういう意味では、戦後のWGIPによる自虐史観よりも古臭い歴史観だとも言えるんですよね、最近の流行りは。
そういうことも含めまして、今日仲小路研究仲間とも話したんですけれども、ストークさんにもぜひ仲小路彰の文献を読んでもらいたいなと。そして、それを英訳していただきたいなと。
夢想ではなく、そういう秋(とき)が近づいているのかもしれません。そういう予感がします。
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