嫉妬心という人類の難敵
昨日、甲府で櫻井よしこさんが改憲に関する講演をしたそうです。
北朝鮮情勢も風雲急を告げております。金正恩、トランプ、習近平、プーチンなどの「荒魂」がぶつかり合う世界の中で、9条を中心に改憲論議が高まるのも当然と言えましょう。
ところが、最近の私は、改憲には慎重な立場になっています。仲小路彰の憲法観に触れることが増えたからでしょうか。彼の改憲論は実に高度、高次元であり、今こそ多くの人に読んでもらいたいものがあります。
アメリカに押し付けられたと言われる「非自主憲法」であるということが、はたして本当に日本にとってマイナスなことなのでしょうか。他者性(モノ性)を重んじ、それを自己の内部に包摂し、融合することによって日常的な「コト」に成してきた日本人の本質を忘れて論議すべきではありません。
今日も、ベテランの共産党員の方とじっくり話しましたが、天皇の存在と絶対平和主義は本来共存できるものであり、今まで右と左という対立軸でもめてきたこと自体、人類のレベルの低さを示しているとの結論に至りました。
そうそう、最近の共産党は変わりましたよね。赤旗に年号を使うようにもなりました。戦後の日本共産党の変化の歴史を見ると、ある意味健全に進化しているなと思うわけです。まさに「日本」共産党になってきたなと。
異論はあるでしょうが、天皇や皇室というのは、ある意味原始共産制の象徴のようなところがあります。庶民と同じかそれ以上に質素な生活をなさっていたり、歴史的に見ると、最下位層、すなわち被差別民と直接的に結びついていたり。
資本主義も共産主義も共通の弱点によって破綻しました。それは私たち人民の「嫉妬心」であります。
資本主義においては、持たざる者が持つ者に対して嫉妬心を持ちます。共産主義においては、働く者が働かざる者に対して嫉妬心をいだきます。
そうした人民の負のエネルギーを抑えるために、結局は独裁的な神や人間が圧倒的な圧力、すなわち戒律や法律や武力を使う結果になってしまった。
実は最も穏やかにその嫉妬心を抑えるのは、絶対的な神への信仰心を持つことが一番効果的なのですが、残念ながら共産主義には唯物論という属性が伴っていたために、それが基本不可能になっていました。
一方、資本主義においては、旧来の宗教よりも、マネーというモンスター(ちなみに両語の語源は一緒です)に対する信仰心の方が強大になってしまったため、こちらも嫉妬心が増長してしまった。
そこで登場するのが「天皇」ということになるのです。わかりやすく極論しますと、「天皇さまがあのような生活をされ、利他的に生きていらっしゃるのだから、私たち人民も…」という心の動きが生まれるというわけです。
これは非常に高度な文化だと思います。そこをもう一度しっかり考えてみる必要があるでしょう。
仲小路彰の天皇論、そしてそこから発展していく地球平和、グローバリズム、コスミカリズムというのも、また、それとはまた次元が違いますが、やはり天皇から発していると言える出口王仁三郎のみろくの世観というのも、この時代だからこそ顧みられて良いものと思われます。
そのような発想をしてみますと、日本国憲法というのは、そうした未来的な可能性を示すものであるとも言えると思います。一条と九条は自然に両立するどころか、お互いを活かすものであるとも言えるのです。
いずれにせよ、私たちにとって「嫉妬心」というのは大変な難敵ですね。なにしろ、お釈迦様が2500年前に「嫉妬心を捨てよ」とおっしゃって以来、ほとんど誰もそれを実現していないわけですから。
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