『反知性主義と新宗教』 島田裕巳 (イースト新書)
今日は島田裕巳さんとも懇意だという某出版社のカリスマ編集者の方と日本酒をがっつり飲みました。
紹介してくださったのは、仲小路彰関係で知り合った方々です。また面白いご縁をいただきました。
本当にいろいろな話をさせていただいたのですが、その中でこの本の話も出てきました。反知性主義そのものについて。また、生長の家を筆頭とする大本系宗教団体、日本会議、創価学会、天理教、松下幸之助、田中角栄…この本で紹介されている人々や団体が、出口王仁三郎や仲小路彰に深く関わっている人ばかりだという話などなど。それからオウムのこと。
なるほど、この本のようにまとめていただきますと、私の今までの研究対象というか、人生そのものが、結局のところ「反知性主義」だったということになりそうです。納得です。
いわゆる「知性」や「知識」よりも、「知能」あるいは「霊性」重視する。たしかに王仁三郎や仲小路は、純粋な学問の世界にはとても収まりきらない、妙なスケールと質感があります。
それをもって、彼らは、そしてそれが好きなワタクシも、「トンデモ」というレッテルを貼られることもあります。いや、それも分かるんです。自分にも多少の「知性」はありますから。知性側からすると、まあ面倒くさい、変な人でしょうね(笑)。
しかし、やっぱりそこにこだわりたい。なぜか。たぶん、「知性」で評価される学校という世界において、あまり居心地が良くなかった(成績が良くなかった)からでしょうね。学歴コンプレックスもありますし。
なのに、こうして学校の教師になっているのも変と言えば変ですよね。まあウチの学校は、それこそ朝比奈宗源の息のかかった禅宗系の学校ですから、決して「知性主義」ではありませんが。だからやっていけるのか(苦笑)。
私の「モノ・コト論」で言いますと、知性は「コト」です。反知性は「モノ」。モノと言っても、もちろん物質という意味ではありません。不随意、不可知、他者を表わす言葉です。いつも言うように私は「コト」よりも「モノ」を重視してきました。あるいは、「コト」を窮めて「モノ」に至るという意味での「コト」には非常に大きな価値があると思っている。
結局のところ、明治維新以来の「コト」化…有り体に言えば近代西洋化…社会に対する、ある種の反発としての、王仁三郎のような新宗教であったり、あるいは仲小路のような「新哲学」であったりしたわけで、そういう意味では、それらは「新」であるけれども、ものすごく保守的であったり、「新」どころか「みろくの世(超未来)」的であったりしたのでしょう。
この本を読んで、いろいろ納得しましたし、とっ散らかっていた頭の中がずいぶん整理されました。島田さんに感謝です。
昨日の編集者さん、島田さんをいつかご紹介くださるとのこと。とっても楽しみにしております。
Amazon 反知性主義と新宗教
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