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2017.01.21

【討論】皇室・皇統を考える…仲小路彰の天皇譲位論

 〜む、思わず真剣に聴き入ってしまった(のちに動画でもう一回視聴してしまった)。本当はトランプさんの大統領就任に関して書こうかと思っていたのですが、急遽変更します。
 すごい討論であったと思います。何がすごいのか。それぞれの皆さんの話の内容は想定内でありましたが、総体として、やはり天皇陛下の「お言葉」のすごさを再確認したということであります。冒頭のお言葉(玉ビデオ)をもう一度じっくり受けとめてみましょう。
 まさに「象徴天皇」ですよ。国民の統合ではなく、国民の分裂の象徴(さらには皇室の分裂の象徴)。だからこそ、このタイミングで「お言葉」を発して、私たちに気づきを与えようとされたのだと思います。
 たしかに「個人として」とか「象徴天皇」とか「国民の理解を」とかおっしゃったのを、表面的にとらえれば、それこそ保守の皆さんが天皇批判をし自己矛盾に陥ってしまうだけです。
 たとえばそうした「公」と「私」のみならず、「右」と「左」、「保守」と「革新」、「改憲」と「護憲」、「ナショナリズム」と「グローバリズム」などという戦後日本の二項対立的な矛盾を、ほとんど全て含んだ問題提起であったわけです。
 今回の討論で飛び出した知られざる情報に驚くだけでもいいのですが、そうではなくて、やはり陛下がここまでなさったことの霊的、未来的意味について「心をいたす」ことこそ大切なのではないでしょうか。
 ちなみに私は、天皇がテレビに出ることは悪いことではないと思います。かの玉音放送の時も「ラジオで肉声なんて」という危惧がありました。
 まあ、どこかの大統領のようにツイッター天皇になる時が来るとは思われませんが(そうなったらそれはそれですごい?)、やはり言葉を超えたところでの神と人との紐帯の存在をこそ感じるべきであります。お言葉、玉音、玉影(?)があるからこそ、その奥底の本質に達することができるというのも歴史的な事実ですし。
 「生前退位」というニュースが流れた日、私はこのように書きました。まあ、非常に浅い見識ですね(苦笑)。しかし、その後、陛下のお言葉によって、ずいぶんと考えが深められましたし、実際勉強させていただきました。
 そして、天皇について考えることは、結局「自分」について考えることになるのでした。
 さて、「象徴天皇」というお言葉について、ずいぶんと批判的な意見が出ていましたが、私はこのタイミングで、仲小路彰の「象徴天皇論」に出会うことができました。たいへん幸運なことです。
 それを近いうちに紹介したいと思います。人類史上最高の天才が、天皇と象徴ということに関して、どのような高次元な思想を持っていたか、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと思います。
 ちなみに、仲小路彰は終戦後すぐに、昭和天皇の退位を画策し「大詔」案まで作成しています(新発見文書の一つです)。当時、昭和天皇退位論があったことは知っていましたが、こうして仲小路彰が裏で動いていたとは知りませんでした。たしかに、幼少の天皇(今上陛下)が即位した際には、仲小路がブレーンを務めていた高松宮さまが摂政になるという話がありましたね。昭和の裏面史です。
 では、その新発見文書を紹介しましょう。驚きの内容です。ガリ版の「厳秘」文書ですが、活字化してみます。

  御退位の大詔の主内容

一、世界の大勢と世界史的必然としての大戦の本質的闡明
一、今日の一切の武装の解除こそ、新しき平和世界の率先垂範として、世界文化、人類の福祉に大なる貢献をなすべき神機なること
一、億兆を安撫し、万国万民をして各々その所を得さしむる肇国の理想の新しき顕現の達成と天壌無窮の宝祚の真の正しき展開の宣示
一、次に建設すべき地球一体化の平和世界の共存共栄の世界的理念と、その実現のための国土建設の方向の明示
一、この世界的変革の十全なる実現のために、一切の陋習、国襲を排し、億兆を救済すべく、御親ら大戦の真の神意のままに、御退位遊ばされ、新しき御代の発展を祈念し給ふ
一、御幼少の天皇を奉じ、大悲大愛の大御稜威の世界的光被をなすべく、真の忍従と創造の計画、実現を総力あけて実施すべきこと、即ち一君万民の真の国体の護持をなすべきことの明示
一、これこそ皇祖皇宗の神璽に酬ふべき唯一の大道にして、全世界の真に生くべき世界平和の永遠的確立、人類文化の真の福祉と進運に寄与する所以なること


 

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