「普通」とは「健常者」とは?
昨日の「ヤクザ」の話ともつながっていますが、ここのところ「普通」とか「健常者」とか、それってなんなんだろう、自分は普通なのか健常者なのか、それとも異常なのか、などと考えてばかりいます。
特に学校教育に携わっている者として、最近なぜか増加している「発達障害」などについて、正直違和感を持ち続けているわけです。
今の学校、特に公教育にあっては、「普通」や「健常者」が心地よい環境のみ整えられ、そこからはみ出る者についてはまるで異物のように扱うという傾向があります。
もちろん私はその対極にある「異常」な教育者であるわけです(笑)。だから私もここ教育界においては行きづらい部分もある。
そんなことを考えている中で、非常に面白いネット記事に出会いました。武術家の光岡英稔さんとしょうぶ学園施設長福森伸さんの対談『自分は健常者だと思っている私たち全員が抱える「ある重い障害」』です。
内容は読んでいただくのが一番ですから、ここではなぞりませんが、私は非常に共感する部分がありました。
特に面白かったのは、アメリカの自閉症協会によるニューロティピカル(定型発達)の定義です。皆さん、どのくらいあてはまりますか。私もそれなりにあてはる部分もありますよ。なんだかんだ言って、私も「普通」派「健常」派になってしまいっている(?)のだなあと痛感いたしました。
・ニューロティピカルは全面的な発達をし、おそらく出生した頃から存在する。
・非常に奇妙な方法で世界を見ます。時として自分の都合によって真実をゆがめて嘘をつきます。
・社会的地位と認知のために生涯争ったり、自分の欲のために他者を罠にかけたりします。
・テレビやコマーシャルなどを称賛し、流行を模倣します。
・特徴的なコミュニケーションスタイルを持ち、はっきり伝え合うより暗黙の了解でモノを言う傾向がある。しかし、それはしばしば伝達不良に終わります。
・ニューロティピカル症候群は社会的懸念へののめり込み、妄想や強迫観念に特徴付けられる、神経性生物学上の障害です。
・自閉症スペクトラムを持つ人と比較して、非常に高い発生率を持ち、悲劇的にも1万人に対して9624人と言われます。
まあ、「定型発達という障害」という表現自体がパラドックスを含んでいるわけですが、そういう視点を持ち込むことによって、私たちの常識を揺るがす意味はあると思います。
定型とはなんなのか、社会性とはなんなのか、障害とはなんなのか、それ以前に発達とは本当に発達なのか…少なくとも教育者は一度は自問自答してみるべきだと思います。
光岡英稔さんの『教育すると、人間は「弱く」なる!』もぜひ。
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