『脳に免疫力をつければ病気にならない!』 苫米地英人 (コグニティブリサーチラボ株式会社)
昨日の話の続きとなりましょうか。
昨日の基準で言えば、苫米地さんの理論はぎりぎり「エセ医学」「非科学的」となるかもしれません。苫米地さんは脳科学者ですが、全体として非常に未来的な思考をしますから、今の「科学」(近代科学的手法)では証明できない話も出てきています。
私はほとんど全てにおいて、苫米地さんの言いたいことが分かりますし、また、それこそ科学的なエビデンスはゼロですけれども、絶対的な「実感」「実観」というのがあります。そこに共感、共振というのがあるのは動かしようのない真実でして、それは、まさに「情報空間」での現象なのかもしれません。
この本で強調されているのは、私たちの体に起こる変化(たとえば病気)は、脳が作り出したものであり、脳がアクセスしている「情報」のエネルギーをコントロールすれば、病気は治るし、それ以前に病気にならない、つまり健康になるということです。
「病は気から」と昔から言いますが、苫米地さんに言わせると、それ以前に「健康は気から」ということになる。すなわち「気」とは「情報」であるということです。
昨日書いた、私が今実体験しているモノも、そうした「情報空間」、別の言い方をすれば「高次元宇宙」にアクセスする道具のようです。
最先端物理学では、高次元宇宙に関する研究も進んでいます。つまり、苫米地さんの唱える理論や、私の関わっているモノの原理については、未来には「常識」となるのかもしれません。
科学の世界では、当然と言えば当然ですけれども、事実が先行して、そして私たちの理解がそこに追いついていくわけです。
昨日も書いたとおり、私たちが理解できないからと言って、その事実の全てを「ニセ」とか「エセ」とか断じてしまうのは謙虚さが足りないと思います。
もちろん、低次元で詐欺的な行為をしたり、あるいは利己的な行動を無意識的にとったりする人はいますよ。それはすぐに分かります。くり返しになりますが、私はそういう人たちを、人一倍嫌います。当然、自分はそういう人にはなりたくない。
そうそう、「なりたくない」と書いて思い出しましたが、この本で面白かったのは、「病気にならない」と唱えては病気を招くという話です。
「無意識は肯定と否定を区別しない」。これはなるほどと思いましたね。たとえば、「病気にならない」と言うのは、「病気」になる自分を想像して、それを否定するという過程を踏んでいるわけですね。「ガンが治る」もガンであることを認めてしまっている。
たしかに、「ああいう人にはなりたくない」と言った私も、自分に実はそういう人になる要素があるから、それを否定したくて、あえてそういう表明になるわけですよね。
ですから、苫米地流に「私は健康だ!」と全肯定してしまえばよいと。「私は善人だ!」ってね(笑)。いや、冗談ではなく、たしかにそれが情報のエネルギーを最大化し、そして「コンフォート・ゾーン」を変化させたり、形成させたりする。
それはやはり実感としてよく分かります。人が私のことを「はったり野郎」と呼ぶのは、あまりにも簡単に断言するからかもしれませんし、人が不可能だと諦めてしまったことを、こりずに追い求めつづけるからかもしれません。
ありがたいことに、私自身は、苫米地さんが薦める、「ストレス・コーピング」も結構得意な方ですし、ゴールを現状の外に設定するのも日常茶飯事ですし、楽譜を見て楽器を弾く、それもヴァイオリン属を弾く機会が多い。
苫米地さんが一日一食を否定されているのは、ちょっと残念でしたが、それも理解はできますよ。あくまで、私の一日一食は、自分にとってのコンフォート・ゾーンであって、他人には勧めたりしませんしね。あくまで私の流儀であると。
ま、いずれにせよ、とても共感できる内容の本でした。一度、苫米地さんともお会いしてお話してみたいなと思いました。レベルは全然違いますが、いろいろな面、たとえば歴史観などでも共有できる部分がありますので。
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