堀井憲一郎 『クリスマスと日本人』
いくら寛容な日本人であるワタクシでも、天皇誕生日は東京裁判によるA級戦犯の処刑があったということで、聖夜は志村正彦の忌日ということで、そしてクリスマス当日は大正天皇崩御の日ということで、なんとも複雑な気持ちになるのでした。
そう、いったい日本人の何人が、12月25日が大正天皇祭であると知っているでしょうか。
いや、別にその割合が低いということを嘆いているわけではありませんよ。なにしろ、昭和2年の12月25日、すなわち大正天皇崩御の1年後でさえ、こんな感じだったのです。
昨年の12月に始まった堀井憲一郎さんの連載「クリスマスと日本人」は面白い。私の疑問がいろいろと解けていく。そして日本人の本質がよく分かる。おめでたさは、今に始まったことではないのだなと。
また、私も何度か書いた覚えがありますけれども、もともとキリストの誕生日が12月25日ではないのは明らかで、クリスマスはもともと単なる冬至(新生)のお祝いであったりしたようです。
日本人は、クリスマスはもちろん、バレンタインもハロウィンも、全くその起源とは関係なく、日本的に受け入れ、ある意味勝手に発展させてしまう。
これこそ聖徳太子の「和」の精神であるとも言えますし、未来の地球平和の一つの作法となるとも言い得るわけですが、逆に言えばなんとも節操がないということにもなりましょう。
論理や言語にこだわらないとも言えますし、その意味においては、逆に「祭」の本質だけを見ているとも言えますね。実に面白いことです。私はそんな日本が好きです。
年末年始はそのハイライトですね。天皇誕生日を祝い、クリスマスを祝い、お寺で除夜の鐘をつき、神社に初詣する。
というわけで、皆さんもぜひ堀井憲一郎さんの連載をお読み下さい。第1回はこちらになります。
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