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2016.12.03

第36回 浅草JAZZコンテスト

Th_img_6686 は8年ぶりになりましょうか。浅草JAZZコンテストの応援に行ってまいりました。私の奉職する富士学苑中学・高等学校のジャズバンド部(Moon Inlet Sounds Orchestra)が7年ぶりに出場したのです(ウチの娘もベースで参戦いたしました)。
 今日は午前中仕事だったため、後半のバンド部門から鑑賞。浅草は大変な人で賑わっていました。
 前回7年前の出場では見事グランプリを受賞しましたが、その時は自分のコンサートが八ヶ岳でありまして応援に行けませんでした。前々回8年前は金賞と浅草ジャズ賞を受賞しました(こちらの記事参照)。
 結果から言いますと今回は見事「銀賞」を獲得いたしました。生徒諸君、そして顧問の先生、おめでとうございます!
 グランプリや金賞受賞経験のある身内の者として、もしかするとちょっと悔しい結果だったかもしれませんが、予選参加150組近くの中から本線に出られるのはたった16組。およそ10倍の難関ですからね。その中で3位ですから立派なものです。
 まあ、身びいきではなく、選曲、演奏、会場の雰囲気などなど総合点ではウチのジャズバンド部がトップだったと思います(思いっきり手前味噌か…笑)。
 が、他の出場者も非常にレベルが高く、いろいろな事情を考えますと「銀賞」も納得の結果だったと思います。ちなみに娘は本番のソロでコケたことにショックを受けていましたが…すぐに立ち直っておりました。
 さて、今回は大変ユニークなバンドが多く、バラエティに富んでいて全く飽きずに集中して鑑賞することができました。
 それぞれ講師の先生方の講評に納得させられましたが、ここでは、エセ評論家のワタクシめが、僭越ながら(失礼ながら)各バンドに寸評を加えさせていただきます。あくまでも古今東西絃楽器演奏者としてのコメントです。

 1 ジャズ箏 Ramses…山田流箏をやっていた者として一言。素晴らしい。めちゃくちゃ上手いですよ。やったことがある人でなければ分かりません。見事でした。ここまで箏でジャズできるんだという感動。特に邦楽独特の(調弦&押手による)狭い半音程がブルージーで素晴らしかった。
 2 高橋由香里カルテット…うまい。講評ではもっと山場をというようなことがありましたが、新しい若いジャズはこれでいいと思いました。昔のおじさんたちの感覚では物足りないかもしれませんが。非常にスタイリッシュで未来的な演奏でした。
 3 DUOSKE…ギターもベースも超絶技巧。本当にうまい。ただソリスト賞をとったベーシストの方、クラシックを学んでしまったマイナス面が出ていたと思います。たとえばフィンガリング。無駄がなさすぎで見た目的につまらない(笑)。吉木さんと対照的。音程もボウイングも完璧だが、それで何を表現しているのかわからなかった。これからに期待。
 4 DALIHI…スマートなフュージョン。私好みのバンド。ここでもコール・アンド・レスポンスを求められていたが、最新の音楽は空気のようでもいいのでは。たしかに浅草ジャズには「人情味」が必要ですが(笑)。これからもブレずに極めてほしいなあと思いました。
 5 Swing Strong Strings…ギターのお二人はお見事。ジャンゴ風な運指も見られた(シロウト目に)。ベースも安定。やっぱりヴァイオリンですかね。ヴァイオリン弾きとして断言できますが、グラッペリには近づくことも難しい。あの音と会話(おしゃべり)を聴いてしまうと、どんなジャズ・ヴァイオリニストもイマイチになってしまう。ヴァイオリン弾きは辛いですね(苦笑)。
 6 笹下中学校 SASAGE JAZZ ENSEMBLE ORCHESTRA…公立中学でこのクオリティーを持続するのは、ホントすごい。中学生らしい演奏という意味でも出色の出来でした。厳しい練習してるんだろうなあ。中学校教師としていろいろ想像しながら聴いてたら、なんだかホロッとしてしまいました。頑張って。そして音楽を続けて下さい。
 7 ウチの学校…内堀さん同様、もうたくさん聴きすぎていてコメントしづらいので一言。素晴らしい。
 8 ラテン連合軍…さすが日大&東工大OBチーム。よく見かける(た)顔が散見されました。リーダーはウチのジャズバンド部のOB。昔からしゃべりはうまかったけど、今回も厳しい質問にも上手に答えていて、そこに感動(笑)。演奏は完璧。ラテンはずるいと言えばずるい。一番分かりやすいので。特に1曲勝負の時は。講評でも言われていたように、渋い演奏にも挑戦すると「ギャップ」でさらに盛り上がるバンドになると思います。聴く方としては、ずっとあの調子だと疲れます(日本人は)。

 というわけで、本当に全体が素晴らしいコンテストでした。聴衆として大満足です。みんなよく練習してますね(反省)。
 ところで…やっぱりすごかったのは「ゲストステージ」。佐藤秀也さんのサックス&フルート、向井滋春さんのトロンボーンはもちろん、吉木稔さんのベース、関根英雄さんのドラムス、そしてそしてなんと言っても本日のスペシャル・グランプリはピアノの市川秀男さんでしょう。
 今日MCの紹介にもあったとおり、椎名林檎さんの伴奏があまりに素晴らしく、最近もYouTubeで観なおして娘たちと感動したばかりだったので、今日は生でその演奏を感じることができて最高に幸せでした。
 ちなみにこのお宝ショウのすぐあと、某ライヴハウスで斎藤ネコさんと共演させていただきました。贅沢な幸せでございました。

 おっと大切なこと忘れてた。司会の牧岩雅夫さん、相変わらずいい味出してたなあ。最近司会業の多い(笑)ワタクシとしても、大変勉強になりました。

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