司牡丹 純米吟醸『吾唯足知』
最近、毎週のように新しい銘柄の日本酒を飲んでいます。気の合う方々とのおいしいお酒ほど楽しいものはありませんね。
その中で特に印象に残っている日本酒を紹介いたします。高知県のお酒、司牡丹の「吾唯足知」です。
「吾唯足知」と言えば龍安寺のつくばいが有名ですよね。実にナイスなデザインです。口を巡って、時計回りにちゃんと並んでいる。それも漢文の「吾唯知足」ではなく、訓読の語順通りというところがいいじゃないですか。
つまり、これは日本人のデザインなんでしょうかね。
ちなみに「吾唯知足」という言葉自体も日本人の発明だと言われています。もちろん孟子をはじめとして、漢籍には「知足」がたくさん出てきますが、「吾唯」を加えて「吾唯足るを知る(のみ)」としたのは日本人の可能性が高いとのことです。
「知足」は禅の奥義の一つです。龍安寺のあの石庭が象徴するがごとく、決して過剰ではない、必要最低限、いや究極的には「無」にさえも満足するということです。
ですから、そこに「吾唯」を加えることによって、ある種の禅的悟りの境地を表現したということでいえば、やはり、いずれかの禅僧が「吾唯足るを知るのみ」を日本語として考えだしたのだろうと思います。
それが偶然か、あるいは意図的か、全ての漢字に「口」が含まれていた、さらにそれが上下左右に見事に配置されたということでしょう。
おっと、お酒の話を忘れてた(笑)。このお酒、京都ではなく高知のお酒ですが、本当に禅味に溢れた逸品だと思いしました。
まさに過剰な感じがしない、実にあっさりとしていて、もしこの名称でなかったら、ちょっと淡白過ぎるかなというくらい、まさに「知足」な味わいです。そういう演出効果も大切でよすね。
かなり気に入ったので、また買い求めようと思います。そして空き瓶に安い紙パック酒を入れて「足るを知る」にしようっと(笑)。
Amazon 司牡丹吾唯足知
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