椎名林檎 『ありあまる富』
今日は椎名林檎さんのお誕生日。おめでとうございます。
最近、ウチの高2と中2の娘が、すっかり椎名林檎にはまってしまい、ひそかに両親はしめしめと思っている次第であります。
私は男として(!)当然林檎ファンでありますし、カミさんも歌い手としての林檎さんを尊敬して、今まで何曲かカバーしてきました。
そんな林檎一家である我が家でありますが、ワタクシめはけっこう林檎さんと近いところにいるのですよ(!)。斎藤ネコさんとはヴァイオリンで即興共演したことありますし、林檎さん大好きでテレビでも共演したことのある、つのだたかしさんとは古くからの友人ですし。
あと、なんと言っても、志村正彦くんのお通夜では、林檎さんをはじめとして東京事変の皆さんとお会いすることになりました。なんとも辛い思い出です。
そう、そう言えは、椎名林檎さん、少し前のインタビューで志村くんのことをこう語っていましたね。
「ありあまる富」は書いた当初、自分が書いたものとは思えないくらい遠いところにあって。実際には、最初は「価値は 生命に従って付いてる……のかな? どうかな? てへ」くらいの感じでした。でも、そこからいろいろなことがありました。志村(正彦 / フジファブリック)くんが亡くなり、(中村)勘三郎も亡くなってしまった。震災もありましたし。そのように胸の痛むさまざまなことがあったときに、それでも自分たち流行歌手はせめていつも通り歌わなくてはいけないんだと気付いたりして……。志村くんが亡くなってすぐに出演したフェスで「ありあまる富」を歌わなければいけないことがすごくつらかった。だって、要するにこの曲は「死んだらおしまいよ」って言っているようなものだから。
でも、そういう経験こそがこの曲に命を吹き込んでいったんだと思うんです。どこか当てずっぽうで書いたのだけれど、この曲をこれからも歌わなきゃいけないんだって、いろんな犠牲や別れを体感して5年くらいかけて自覚していったのだと思う。作家として、歌手として。
私も、この「ありあまる富」が妙に胸に響いてしまい、けっこう一人車の中でヘビーローテーションして泣いていたんですよね、あの頃。やっぱり志村くんのことがあったからだったのかと、この林檎さんのインタビュー読んで納得してしまいました。
ちなみに上の写真は2009年のSONGSで「ありあまる富」を歌う林檎さんです。これ良かったなあ…彼女の魅力について、当時の私も熱く語っていますね。まさか、この数ヶ月後、志村くんが天国に旅立つとは夢にも思っていませんでしたが…。
そんなわけで、今日は椎名林檎さんの名曲、「ありあまる富」を聴いていただきましょう。PVには御本人は登場しません。だからこそ、純粋に楽曲の良さ、詩の深さに心が共鳴するような気がします。
志村くんも、きっとこの曲聴いてますよ。天国で。
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