第28回 高松宮殿下記念世界文化賞
もうすぐ高松宮殿下記念世界文化賞の授賞式がありますね。昨年こちら書いたように、ある意味ノーベル賞の芸術部門を補完する役割を果たしているこの世界文化賞。
まさに文化人と呼ぶにふさわしかった高松宮殿下が創設されたこの賞でありますが、今ちょうど私は高松宮さまと文化に関わる部分について研究しているところです。
たまたまですが、今日もある方から貴重なお写真をお預かりしました。これはかの仲小路彰が裏で脚本を書いたと思われる舞踊詩劇「静物語」を、殿下が喜久子妃殿下と一緒にご鑑賞になっているお写真です(昭和23年)。
実際のところ、ノーベル賞を補完する世界文化賞を創設されるにあたっては、仲小路彰や川添紫郎の提言があったことは間違いありません。そのあたりの事情は従来全く世に出てきませんでした。
さて、そんな世界文化賞、今年も素晴らしいアーティストたちが受賞しています。
第28回 高松宮殿下記念世界文化賞 受賞者
■ 絵画部門 シンディ・シャーマン (アメリカ)
■ 彫刻部門 アネット・メサジェ (フランス)
■ 建築部門 パウロ・メンデス・ダ・ホッシャ (ブラジル)
■ 音楽部門 ギドン・クレーメル (ラトビア/ドイツ)
■ 演劇・映像部門 マーティン・スコセッシ (アメリカ)
第20回 若手芸術家奨励制度 対象団体
■ ファイブ・アーツ・センター (マレーシア)
ワタクシ的には、やはりクレーメルとスコセッシの受賞が嬉しいですね。素晴らしい人選だと思いますよ。
それに対して…ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞には驚きましたね。本人も驚いているというか、困惑しているのではないでしょうか。
ノーベル賞は文学部門しかないので、こうして他分野の人物を文学賞にあてがうこともできてしまいます。当然、それに対する反発も大きく、本人が文学という意思がないのにいいのかとか、純粋な文学分野で受賞すべき人がいるだろ(村上春樹ら)とか、いろいろな意見が飛び交っていますね。
一方、そちらの騒ぎや、ノーベル賞の権威低下などを尻目に、安定の信頼度および品格を保っているのが高松宮殿下記念世界文化賞であります。
本国日本ではノーベル賞ほどの騒ぎにはなりませんが、世界的に見ると大変名誉ある賞であって、ノーベル賞受賞よりも価値が高いと捉える受賞者も多いとか。
ボブ・ディランもこちらの音楽部門を獲りたかったかもしれませんね。来年、あえて彼に世界文化賞を授与するとかどうでしょう(笑)。
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