ロバート秋山×のんある気分 【Making of the TV commercial】
昨日の続きですよ。能の天才、世阿弥と観世寿夫。この二人と肩を並べる「ものまね」師。すなわち現代の「モノ(他者)を招く」達人の一人。ロバートの秋山竜次です。
冗談抜きで、彼は天才ですね。彼の天才性を意識させてくれたのは、ウチの姉です。演劇をいちおうプロとしてやっていた姉ですので、舞台の「俳優(わざおぎ)」に対する評価はかなり厳しい。そんな姉が、最近追っかけいる芸人さんが秋山です。
つい最近には、とうとう「Yoko Fuchigami」とツーショット撮って送ってきました(笑)。まあそのくらいハマっているのです。
で、私も影響を受けて、またコント部の顧問として、ロバートの動画などをよく観るようになりました。また、ご多分にもれず「クリエイーターズ・ファイル」を一通り観てみたりしました。
うん、やっぱり、これは「モノマネ(物招)」ですね。完全に憑依されている。いや、させている。それも物理的には実在の人物ではないが、しかし我々の意識の中には確実に実在している、そう、あえて言えば、西洋的リアリズムではなく東洋的なリアリズムの中に実在している人物を。
だから、具体的な誰かをリサーチしたり、職業を研究したりはしない。雰囲気。ニセの現実の方がリアルだったりするのはよくあることです。記憶がだいたいそうですよね。
そういう意味で、他の天才たちもそうなんですけど、幼少期の記憶、特に遊びの記憶が、のちの偉業につながることが多い。秋山もそうなんでしょう。
面白いですね。そして、その憑依的アドリブに一般人が巻き込まれることによって生じる「?」的な時差や心理的距離が、その架空の実在人物のカリスマ性を顕す結果となっている。前代未聞のすごい芸ですよ。
考えてみると、ロバート自体が、秋山と他の二人のある種の「隔絶」が笑いの根幹になっていますよね。もう少しはっきり言うと、秋山と馬場の格差を山本が上手に解説するというか。ネタとしては、秋山と馬場が変な人で、一般人の山本がそこに巻き込まれているように見えますが、実際はそうじゃないんですよ。
というわけで、実在と非実在の混濁という意味で面白かったのが、このサントリーとのコラボですね。これは実に新しい表現の世界ですよ。しまいには現実の自分まで巻き込んでしまう(笑)。
これは、コントでもない、CMでもない、ハプニング(市街劇)でもない。なんなんだろう。
なるほど、こういう現実と非現実の混濁という意味では、寺山修司に影響を受けた姉が、この秋山に惚れるのも分かる気がしてきますね。
いや、もしかして、現代の世阿弥なのか?!
| 固定リンク
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- ロジクール ヘッドセット H111(2021.01.24)
- 通信改革は本当に成功するのか?(2020.12.25)
- Wi-Fiは頭に悪い?(2020.12.11)
- バッハ・リヴォリューション 『デジタル・バッハ』(その後)(2020.12.06)
- 格安モバイルモニター(2020.11.30)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『俺の家の話 第1話』 宮藤官九郎脚本作品 (TBS)(2021.01.22)
- 日本人は何を考えてきたのか…第9回「大本教 民衆は何を求めたのか」 (NHK Eテレ)(2021.01.19)
- 『小早川家の秋』 小津安二郎監督作品(2021.01.18)
- 『ジョーカー』 トッド・フィリップス監督作品(2021.01.11)
- 『パラサイト 半地下の家族』 ポン・ジュノ監督作品(2021.01.09)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 『俺の家の話 第1話』 宮藤官九郎脚本作品 (TBS)(2021.01.22)
- 今こそ!俺たちの東京スポーツ最強伝説(2021.01.17)
- LUCY(루시) 『Snooze (선잠)』(2020.12.30)
- 追悼 中村泰士さん なかにし礼さん(2020.12.24)
- 『セカンドID―「本当の自分」に出会う、これからの時代の生き方』 小橋賢児 (きずな出版)(2020.12.23)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 鈴木政吉物語(2021.01.26)
- 絹弦ヴァイオリンについて(2021.01.25)
- 『俺の家の話 第1話』 宮藤官九郎脚本作品 (TBS)(2021.01.22)
- 日本人は何を考えてきたのか…第9回「大本教 民衆は何を求めたのか」 (NHK Eテレ)(2021.01.19)
- 『小早川家の秋』 小津安二郎監督作品(2021.01.18)
「モノ・コト論」カテゴリの記事
- 『「生きる力」としての仏教』 町田宗鳳・上田紀行 (PHP新書)(2021.01.20)
- 『江戸の妖怪革命』 香川雅信 (角川ソフィア文庫)(2021.01.16)
- 『ゴジラ』 本多猪四郎監督作品(2021.01.04)
- 『生き方は星空が教えてくれる』 木内鶴彦 (サンマーク文庫)(2020.12.27)
- 『異界探訪 パワースポットの最深部に異界への扉があった』 町田宗鳳 (山と渓谷社)(2020.12.22)
コメント